湯の峯荘(温泉編)

              2010.12.11〜12 更新 2010.12.15  
娘の結婚式が終わり、HPの誕生日を迎えてホッとした。そこで考え直してみたら女房と旅館にお泊まりに行ったのが4年前の湯涌温泉以来ないと気づいた(オリンピックか)。

これはあかんと親のご苦労さん会として温泉旅行を計画した。行き先は女房が行ったことのない熊野古道の石畳や熊野本宮がいいな。温泉もあるし。

そこで女房の都合を聞くと3日後の土日なら都合が良いという。あまりに急だけど背に腹は代えられない。ネットで検索してみると、じゃらんるるぶで予約できることがわかった。うーん、世の中便利になった(^^;)

ということで、出かける3日前に予約完了。大まかなタイムテーブルを作って当日を迎えた。



熊野古道・馬越峠(まごせとうげ)
熊野古道といえば石畳が有名。その石畳が最もきれいだと思われるのが尾鷲市にある馬越峠である。
そこで峠の登り口に車を置いて登り始めた。なんで夫婦連れなのに自転車があるのかって?

紀伊半島南部までは車でアクセスしている。だから峠越えしても車を取りに戻らなくちゃならない。そのためにはお荷物になっても自転車を持って行くことにしたのだ。そのため車を置いておける海山側から登ることにした。
馬越峠の海山側登り口(10:25) いよいよ本格的な石畳が(10:29)


期待したとおり石畳がきれいである。石畳を縁取る大きなシダや杉・ヒノキが格好いい。10時過ぎという良い時間なので歩く人もそこそこいる。我々は自転車・動画撮影付きなので足は遅い(^^;)地元の人や脚の早い人に抜かれた。夜泣き地蔵や一里塚などを見ながら登った。
石畳風景(10:33) 一里塚付近(11:04)


足は遅いと思った割には1時間ほどで峠に着いた。お昼になっているので用意したバーナーで湯を沸かし、カップヌードルでランチタイム。お茶はにぎりの徳兵衛で買った粉茶。寒いときは暖かいものがgoodである。大成功 v(^^)

峠からは尾鷲の町並みがよく見える。高さ的には岐阜市の金華山くらいだから岐阜城から岐阜市を見てるくらいの感覚だ。2回目なのでランチタイムも峠から見た尾鷲の町並みも撮り忘れた。見たい人は峠コレクションの馬越峠を見て欲しい。

また尾鷲側の峠道にも石畳は多いが、落葉樹が多いせいか石畳がきれいに見えなかった。不思議なものである。最後に峠までの動画をまとめてみた。
峠(11:24) 尾鷲市内が見える麓付近(12:48)
峠までの動画


湯の峰温泉
熊野古道の学習も終わり、あとはお宿へ。でもその前にお宿のある湯の峰温泉を紹介しておこう。
温泉の名前は湯の花でできた薬師如来の胸から温泉が湧いていたことに由来し、「湯の胸」が転じて「湯の峰」となったそうである。また日本最古の温泉とか小栗判官蘇生の湯とか言われている。高温(93度)の温泉が自噴していて、古くから薬効高い熊野の湯治場として有名である。本宮町(現田辺市)観光案内によると、
※小栗判官物語
応永30年(1415年)室町時代のこと、常陸の国小栗満重(茨城県小栗城主)は関東管領・足利持氏の軍に攻められ落城。その子助重(小栗判官)は小栗一族の住む三河の国を目指して逃れようとした。相模の国に潜伏していたとき、横山大膳に正体を見破られ酒盛りの席で毒殺されかけた。照手姫の機転で一命をとりとめたものの毒で重体に陥った。藤沢の遊行寺の大空上人に助けられ、照手姫をはじめ多くの人々の情けを受けて熊野・湯の峰に辿り着く。そして熊野権現薬師如来の加護と湯の峰温泉に浴すること百日余り、みごと本復し、小栗家再興を成し遂げる。

この物語が室町・江戸時代を通じ大衆文化(歌舞伎など)とともに伝承されたものである。
小栗ゆかりのつぼ湯とか高温の源泉とか見所も多い。また源泉に沿った温泉街も鄙びていてとても良い。卵とか芋とか高温の源泉に浸して温泉卵にする様子が温泉らしかった。
湯の峰温泉 つぼ湯
源泉 小栗と照手姫


湯の峯荘
湯の峰温泉の温泉街はいい気持ちにしてくれた。ところが目指すお宿はこの中にあるものと固く信じていた私たちをカーナビは温泉街から離れた高台に誘導してくれた。ううむ、確かにここじゃわい。でも同じ泉質らしいので仕方ない。

ここは予約したサイトによると湯の峰温泉で露天風呂があって料理が一番良さそうだったから決めたのだ。宿の前には温泉水を持ち帰れる施設があって宿利用者なら無料で利用できる。私たちもペットボトルに詰めてお持ち帰りさせてもらった(^^ゞ
湯の峯荘の玄関 温泉汲み取り施設


館内はクリスマス風の飾り付けがしてあったが、「小栗判官蘇生の地」の幟や「蟻の熊野詣で」といわれた行列の様子を描いた絵も飾ってあって旅情がかきたてられた。
玄関脇 クリスマス風の飾り付け
蟻の熊野詣での絵


お部屋
お部屋は和風である。窓から見える景色も高台なのでなかなか良い。そして和風なのにバストイレ付き、しかもウォシュレット。これは痔主様の私にはとっても嬉しい設備だった。

そしてもうひとつ見逃せないのが電気ポット。従来のお宿は部屋にはジャーが置いてあってそこに湯が入れてある。しかし、ここは好きなときにお湯を沸かして熱いお茶が飲める。いや、私の場合は持っていったコーヒーを沸かし直したんだがね。毎日コーヒーメーカーで大量に作って持ち歩いているから。悪いとは知りつつ。ええ、ちゃんと洗っておきましたよ(^^ゞ
お部屋 窓越しの風景
洗面 とても役に立った電気ポット


温泉
さて、そんなお宿で肝心なのがお風呂。それも温泉だから真っ先に紹介せねばなるまい。ここは源泉ほどの高温ではないものの91度、もちろん源泉かけ流しである。泉質は含硫黄炭酸水素塩泉。硫黄臭いのに塩泉なのでアルカリ性というのも面白い。

そして大浴場には露天風呂ももちろんある。そして無料の家族風呂が2つ。温泉の効能書きによると。おお、かの佐々木小次郎まで来てたのか!美女お万の話はアリエールけれど、つばめ返しは作りすぎでしょう(ー_ー)
大浴場
泉質 家族風呂


大浴場
まずは大浴場。上にあるのが男性用。でもそれは午後10時頃までのこと。その30分後には男女風呂がそっくり入れ替わる。もちろん露天風呂も同様である。これは嬉しい。全部のお風呂に入れるからである。この写真は朝の5時頃に撮ったものだ。いやあ、年をとると朝が早くてねえ(^^;)

それからここは湯の花が多い。奥飛騨温泉郷の中尾にある我が高校のお風呂ぐらい多い。じっと入っていると気が付かないが、湯をかき混ぜると沈んでいた湯の花がワーッと浮いてきて凄いことになる。何が凄いって?湯の中に漂っている湯の花が恥ずかしいところに付着するからだ。だからお風呂から出るときにはちゃんと洗い落として出るのだよ(>_<)
大浴場(夜は男性用だった) 露天風呂(夜は男性用だった)
大浴場(夜は女性用だった) 露天風呂(夜は女性用だった)


家族風呂
次に家族風呂。運良く夕食の後に空いていた。空いていれば入り口の札をひっくり返して入れば良い。家族風呂は小屋掛け風の造りで館外にある。洗い場のある「鹿の湯」と洗い場のない「薬湯」。私たちは大浴場で洗い済みなので薬湯に入った。脱衣場は狭いけれど必要十分な大きさだ。

そして入ってみれば鹿の湯も薬湯も殆ど同じ構造だった。半開き?になった大きな窓のせいで半露天のよう。それでもお湯が熱いので1回20分程度にして下さいという但し書きでも問題ないと思った。そんなこんなでお風呂に3回入れた。ノルマクリアだ。やっぱ温泉はいいわ\(^o^)/
家族風呂(入り口の架け札を返して入る) 脱衣場
鹿の湯 薬湯


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