妙法寺峠みょうほうじとうげ 172m (2014.9.13) 地図 2.5万図

新潟県刈羽村油田(あぶらでん)−柏崎市西山町妙法寺

新潟県刈羽村油田−柏崎市西山町妙法寺の間にある県道393号礼拝(らいはい)長岡線の旧道峠である。そして地名だけであれこれ突っ込み所満載の嬉しい峠でもある。

刈羽村は柏崎刈羽原子力発電所で有名になった。そう、2007年、中越地震のとき黒煙が出た原発である。国も東電も喉元過ぎればなんとやらで、2011年の東日本大震災が来た。4年後。オリンピックか?

次に油田(あぶらでん)なる地名。日本で希少ながら石油が採れるのが新潟県。江戸時代後期、ここに出てくる妙法寺村(現在の西山町妙法寺)西村家は石油で年貢を納めていたことが記録されていた(柏崎の石油史)。油田は峠の反対側にあたるけれど、地名に現れている。

柏崎長岡間の交通路として西山町と刈羽村飛地の境にある妙法寺峠を通る道が「長岡街道」として利用されていたそうだ(「中通村誌」)。すなわち、こここそ由緒正しき、大動脈だったのだ。

沖見峠トンネルから旧道峠道へ入る


そういえば妙法寺なる地名。その名のお寺がありそうに思える。お寺の名前がついた峠には曹洞宗の同名のお寺があることが多い(保福寺峠宝慶寺峠大寧寺峠雲照寺峠禅定寺峠)。ここはどうだろうか?「妙」の字は日蓮宗によくある名前だ。調べてみると超願寺しか見つからなかった。真宗大谷派。 他に「妙」の字が付くお寺というと「妙蓮寺」である。法華宗大本山妙蓮寺。そしてそこにある妙蓮寺椿は私が大好きな椿の品種である。

アクセスは刈羽村側から。沖見峠トンネル脇から旧道に入った。

その前に沖見峠トンネルを柏崎市西山町妙法寺側から潜った。妙法寺峠とは違う峠名。たぶん同じ峠のことだろうが、峠の位置が微妙に違っていたのか?沖見とは海が見えることだが、見えるのか?色んな謎が錯綜する。まずは峠をゲットするのが第一であるから取っ付き安い刈羽村側からアクセスした。

トンネル脇から旧道に入る。草木の繁茂が著しい。トンネル上に通行止め表示がなされてあった。

沖見峠トンネル
トンネル脇の旧道 トンネル上の通行止め表示



まったく草木の浸食が激しい。とりあえず自転車には乗って登ってはいけるもののデンジャラスなことこのうえない。舗装してあるからこれぐらいで済んでいるが、ダートだったらとっくに廃道になっていただろう。峠手前まで来ても状況は変わらなかった。

草木の浸食が激しい
足元が見えない 峠手前



峠は大木や竹林が上空を覆っているためか、道の状態はかなり良い。しかしトンネル名にもなっている「沖見」の海は見えない。そして柏崎側にある看板に異なことが書かれてあった。

峠(刈羽側)
峠(柏崎側)



峠には両側から山道が交差してきていた。その沖見峠トンネル側の看板には「妙法寺総代」の文字があった。地権者か何かなのか?総代と書くからには実際に妙法寺というお寺が存在するのだろうか?再度調べてみると日蓮宗本山村田妙法寺が長岡市にあるのが判明。「妙」の字は「南無法蓮華経」。日蓮宗ではないかと感じていたので腑に落ちた。

そしてトンネルと反対側にある看板には「長岡街道沖見の嶺 毛峠登り口」の文字があった。そこが街道の最高地点だと言う。それに沖見の嶺もそこにあるそうだ。峠名はどちらでも良いだろうが、トンネル名は地図に載っているものにしてほしいと思うのは私だけ?

「妙法寺総代」の文字 「長岡街道沖見の嶺 毛峠登り口」の看板

この山道を辿ったら、もうひとつ峠がゲットできたかもしれない。しかしここに来るだけでも自転車とは思えない峠行きなので、山道に突入する元気は出てこなかったし、妙法寺側に下りていく気も失せていた(ー_ー)



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