曾地峠そちとうげ 141m (2014.9.13) 地図 2.5万図

新潟県刈羽村赤田町-柏崎市曽地(そち)

新潟県刈羽村赤田町と柏崎市曾地との間にある国道8号線の旧道峠である。

江戸時代まで長岡街道はお隣の妙法寺峠を通っていた。明治11年、明治天皇の北陸巡幸に際し、輦(れん、天皇が乗った輿)の通り道として急遽開削され実際に通られたのがここ曾地峠である。そのため曾地峠がその後、主要道の地位を妙法寺峠から奪い、国道指定も曾地峠ルートになったそうである。

また2014年にロシアで行われたソチオリンピックの時は開催地と同名であることが話題になった。

その妙法寺峠から下り、国道8号線を現在のサミット・赤田トンネルまで辿る。

国道8号線の赤田トンネル


この赤田トンネルの手前に旧道との分岐があった。「この先 車は通れません」の看板が立ててある。

旧道は1桁国道らしく黄色いセンターラインがある。さすが1桁国道。それなりの規模があったわけだ。しかし今は草に覆いつくされるように浸食され、1桁国道の矜持たるセンターラインも切れ切れにしか見えない。旧道に入ってすぐ。巨大な石がいくつも置いてある。赤田トンネルの扁額をはめ込んだのが同じような石らしく、その選に漏れたものたちのなれの果てらしい。

旧道との分岐 黄色いセンターライン
巨大な石たち センターラインの痕跡


とにかく勾配は非常に緩く、道幅も草木の浸食さえなければ堂々たる広さがあったようだ。分岐からずっと付き従っている電線も健在。峠のサミットにはすぐに到着した。横の壁が切り通しっぽい。

横の壁が切り通しっぽい ほぼ峠



峠は草木が周りを覆っているため、よくわからないが、切り通しになっているらしい。遺跡の類も発見できなかった。

峠(刈羽側)
峠(柏崎側)



それより峠の先が広場になっていたのが目に入った。そこでそちらへ移動してみると、この広場には「明治天皇御駐輦記念碑」が立てられていた。そうか、ここでお休みされたんだ。

峠の先に 広場があった。
明治天皇御駐輦記念碑



この広場の真下を赤田トンネルが通っていて、国道の通行が眺められる。また柏崎やその先の海も展望できる。そういえば妙法寺峠の現トンネル名は「沖見峠トンネル」だった。また妙法寺峠にあった看板に「沖見の嶺」の表示があり、柏崎市街と日本海を望むとあった。その長岡街道と対抗すべく急造されたこのルート。ここ曾地峠からも海が見えること、これこそが必要最低条件だったのではないだろうか?

広場から赤田トンネルと国道8号線が眺められる。
柏崎と日本海が展望できる



峠付近には水準点があった。また峠から下る途中から現国道の橋が見えた。そして国道との合流点近くに通行止めの柵があった。合流点から峠の切り通しが見えた。

峠から下る 水準点
現国道の橋と柏崎や日本海 通行止めの柵
国道と旧道との合流点



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