山中峠(飛騨西街道) 380m (2004.5.22) 地図

岐阜県関市上之保(かみのほ)小笹ー上之保山中
関市上之保小笹と山中の間にあり、飛騨西街道の本道と言われているルート上にある峠である。(岐阜県、歴史の道調査報告書)

飛騨西街道は関市小屋名で郡上街道から分岐し、津保川
(つぼがわ)沿いに富加町・武儀町・上之保村を通って、下呂市金山町へ至るものである。

そのルートは関市から富加町へ長峰坂梅木坂氷坂を越え、津保川の谷を遡る。旧武儀町役場付近で北条峠袋坂峠を越える金山街道
(現在の関金山線)と分岐して、さらに津保川を遡る。
赤鍋の分岐点(11:10)


旧上之保村役場を過ぎ、しばらく行くと街道は二手に分かれる。ひとつは中世まで使われていた赤鍋から小笹・山中峠・山中・戸丁を経て、馬渡り・本郷へ戻り、少合峠を越えて袋坂に至ったもの。またもうひとつは近世に開発された赤鍋より津保川沿いに進んで、中世までの道と合流して少合峠へ向かったものとである。

本日のターゲットは中世までのルートにある山中峠だ。赤鍋の分岐点にある橋を渡り、集落の奥に分け入る。いきなりの急坂が始まる。ジグザグを切って車道は急勾配を上がる。林道完成記念塔の所に嘉永年間建立の馬頭さんがあって、その横に旧道らしき山道が登ってきていた。当時はこの車道より急勾配の山道を通行していたわけである(~_~)
林道完成記念塔の所(11:18)


入り口の難関をこなすと、小笹の集落である。野良仕事に精を出すお年寄りに挨拶をしながら進んだ。やはりここらは過疎なんだろうか?集落の端に道祖神があった。不動明王や馬頭さん、役の行者など混交している。ここはやはり集落から峠道にかかる結界だったのだろう。
小笹の道祖神(11:29)


峠へは大した勾配でもなく、ほんの10分ほどで到達した。切り通しの壁には地蔵菩薩を安置した窪みが作ってあり、ポピュラーな峠風景であった。
山中峠(11:40) 峠のお地蔵さん


峠から山中の集落へ下る。山間の小盆地に開けた小集落である。街道はここから下へは降りず、さらに小さな峠を経て戸丁の集落まで至った。戸丁は赤鍋・小笹・山中・戸丁と来た中では一番大きな集落であった。

山中集落(11:50) 戸丁公民館(12:00)



戸丁から谷を降りる。馬渡りで津保川と合流し、街道はさらに下る。本郷付近で津保川沿いの道から分岐し、少合峠へ向かう。
馬渡橋(12:10) 本郷の分岐(12:21)

少合峠へ