叫び越え(サケビ越え)  653m (2005.4.30) 地図 

滋賀県高島市朽木雲洞谷(くつき・うとうだに)−朽木桑原(くつき・くわばら)
滋賀県高島市の雲洞谷から桑原へと越える山道の峠である。

県道783号線がヘアピンカーブを描いている頂点に峠の入り口があった。入り口の道標には「サケビ越え・針畑ごえ古道」と書いてある。針畑越えといえば、小入谷・根来坂の代名詞だが。叫び越えとは穏やかな名前ではない。いったいどういう意味なのだろう?
サケビ越え入り口の道標(10:07)



道標からのルートは川へと続いていた。MTBを下ろすのも大変だったが、いきなり靴を脱ぎだしたGTさんにはビックリ。そりゃそうだ。目前の北川を渡河するにはソックスまで脱がないと濡れてしまうわなあ(ー_ー) 仕方なしに私も倣った。脱いだ靴を対岸に投げるGTさん。猿真似して私も投げたら岸ギリギリのところで水面に落ちた(゚o゚) 付け焼き刃はあかんなあ(ToT) 幸い中までは濡れなかったので良かった。向こう岸でまた履き直しながらぼやく私
「こんなことならゴアのオーバーソックス持ってこれば良かった」
「私なら長靴でんな」
GTさんは凄い(~_~)

デジカメで確認すると、入り口から渡河するのに25分もかかっている(゚o゚) げに登山は装備が物を言う世界だ。
渡河地点(10:30) 対岸の道標(10:31)



対岸から峠の谷へ入り、谷を詰めていく。何度も谷川を渡りながら進む。ルートには赤のテープがところどころに巻き付けてあるのだが、途中で左に入る谷の合流点を直進したため、劇坂にぶちあたって四苦八苦。ルート探索など1時間近いアルバイトをしてしまった。合流点まで撤退し、ルートを再発見できたため昼食にした。
谷川を渡河(10:47) 谷の合流・分岐地点(12:13)



昼食後、布の滝など滝を巻くようにトラバース道の連続スイッチバックが現れた。先ほど迷った谷とは違い、木が広葉落葉樹系である。GTさんいわく
「栃の木ばかりですね。朽木は貧乏だったんですな。他の木は全部切って炭にしたけど、実が付く栃の木は残したんでしょう」
なんも知らん私は頷くしかなかった(ー_ー)
滝の手前からスィッチバック(12:31) 栃の木?(12:35)



トラバース道といっても傾斜は急。担ぎ押し一徹で乗ることは殆ど無理。おまけにトレールも自然に還りつつあるため靴が横滑りしまくる。こんなとき夜叉が池みたいに靴底に加水分解が起ったらどうしようと本気で心配になった。

「谷を詰めて尾根を巻くようになったら峠」という感覚からすると、栃餅谷の道標あたりで峠はもうすぐと思えた。しかし峠までさらに30分を要した。今どの辺だろうと携帯電話GPS機能で位置確認までやった。峠近くは圏外でなく助かった。
担ぎ(12:40) 栃餅谷(12:51)



やっと峠に着いた。昼食地点からでも更に1時間以上かかった。峠にはお地蔵さんが1体。峠の木柱の脇には道標である石碑(右くわはら・左いへら?)があった。
叫び越えの峠(13:23) サケビ峠道標と石碑(13:23)



峠からの下りは登りに較べると、かなり乗れたのであるが、如何せん倒木が多すぎる。しかもトレールの傾斜もきつく、油断すると転落の危険性が高い(~_~) こんなデンジャラスなロケーションにここを通る人達がさんざんシャウトしたのであろうか?峠路に響く「叫び声」。それが転じて「叫び越え」ではあまりにも安直過ぎるだろうか?
シャウトなダウンヒル(13:50) 桑原の集落(14:03)



桑原の集落へ降りた所に「猿田彦神社」なる石碑が置いてあった。こんなところに何故?それに猿田彦神社はどこに?

道は桑原の集落にある「すぎやだにはし」のたもとに出てきた。
サケビ越え入り口「すぎやだにはし」(14:06)