屋久島・宮之浦岳登山

    
(2009.5.3)   更新 2009.5.9  地図
宮之浦岳山頂
屋久島の宮之浦岳は九州最高峰の山である。また屋久島は周囲132kmの島に1000m以上の固有名を持つ山が45もある。しかも海から屹立しているため洋上のアルプスと呼ばれている。


GPS軌跡


上の地図を見てもらえばわかるように、今回アタックした宮之浦岳と縄文杉はいずれも安房からアクセスする。ところが泊まったところは宮乃浦だったから、島を1/4周しなければならない。そこで宮乃浦岳アタックには朝4時半に宿を出ることとなった(~_~)

当然そんな時間に宿で朝食は出ない。仕方ないので頼んでおいた朝食弁当(昼食弁当も)を持って出発した。暗い夜道をレンタカーでひた走る。夜中というのに弁当屋さんがアチコチで開いていた。商売になるんやなあ!

安房から島の周回道を外れ、県道592号・安房公園線を登る。道はクネクネ道だが2車線なので問題はない。尾立峠で明日行く荒川口方向への道と分れ、さらに登ってヤクスギランドから安房歩道を行く。ここから道は1車線になる。車道の最終・淀川登山口近くでは路駐の車が目立ちだす。最終地点に駐車場はなさそうなので我々も適当なところに車をデポして、登山口まで歩いた。
車をデポ(6:00) 淀川入り口(6:13)



このGW中は、屋久島山岳部で携帯トイレの導入試験実施中ということで、環境省の職員や地元ガイド・ボランティアなどが携帯トイレを買って持っていくよう声をかけていた。私も後学のために2個入りを買った。登る前に腹ごしらえ。ホテルで用意してもらった朝食弁当を食べる。登山口の看板前で記念撮影をしてから出かける。
朝食弁当を食べる(6:21) 記念撮影(6:35)



山中に入ると、さすが屋久杉の森。生えている木がふぞろいである(^^;) しかも曲がったりひび割れていたりである。また倒木も結構でかく、倒木の上にまた木がしっかり生えていたり、生命感があふれている。
根も幹もスゴイ(6:38) 淀川大杉、幹が太くても真っ直ぐじゃない
倒木をくぐる



淀川小屋までは登りというより、むしろ下っていく。そうして淀川小屋へ到着。前日に泊まった人、テント泊した人でごった返している。長蛇の列は朝トイレであろう。携帯トイレが必要と思った瞬間だった。

小屋を過ぎると、淀川を渡る。鉄骨格子のトラス橋だ。川の水がきれいである。屋久島は花崗岩の島なので、雨がどれだけ降っても濁ることがないのだそうだ。
淀川小屋到着(7:12) 淀川を渡る(7:15)
川の水がきれい



淀川を渡り、ドンドン登っていく。ところどころに立ち枯れの巨木がある。幹に螺旋状の窪みが見られる。何かに巻き付かれて絞め殺されたような感じである。これが噂の「絞め殺しの木」であろうか?

木々の隙間から山の頂上にコルネパンのような大岩を載せた山が見えた。高盤岳1711mである。これが世に言う「トーフ岩」らしい。この角度からは豆腐というよりコルネか揚羽蝶の幼虫に見えるけどね(^^;
絞め殺された木(7:26) 高盤岳(12:15)



小花乃江河(こはなのえごう)の手前に展望所があった。道草して行ってみた。大きな岩から周りが見渡せる。ガスっていて展望はイマイチだったが、近くに見えたのはビャクダン岳だった。
展望所(8:19)
近くに見えたビャクダン岳



展望所から小花乃江河に着く。要するに高層湿原である。これで山がクリアだったら最高なんだが、ガスっていた。それに多くの人が休んでいたので、我々は新快速みたいに通過した。
小花乃江河は高層湿原(8:23)
通過!



小花乃江河を過ぎて、すぐに花乃江河に着いた。こちらは小が付かないだけに大きい。解説板によると、日本最南端の高層湿原だそうだ。湿原には屋久シカも出てきて草を食んでいた。ここでトイレ休憩を含めて大休止。といってもトイレは携帯トイレ用のテントが張ってあるだけのものだった。

そうこうしてるうちに天気が回復して岩の山が見えた。あれは西黒味岳であろうか?
花乃江河(8:35) 記念写真
屋久シカ 西黒味岳?(8:38)


GPS軌跡


大休止のあと、さらに登る。黒味岳と投石岳の間に来ると、杉は少なくなってくる。あっても立ち枯れていたり、シャクナゲとかツツジなどが目立ってくる。標高1680mのこの辺りは森林限界に近くなっているらしい。
黒味岳と投石岳の間(9:30)



登山道は投石岳・安房岳・翁岳の西斜面をトラバースしながら進む。栗生岳付近からガスの切れ間に宮之浦岳が望めるようになった。もうすぐだ。それでも出てくる標識ではあと1kmになっていた。
投石岳の西斜面をトラバース(9:46) 海が見える
ガスの切れ間に宮之浦岳(10:08) あと1km(10:23)
ストックよ、あれが宮野浦岳だ!



そして10時50分、宮之浦岳山頂に到着。わりと広い山頂だけど、登山者に埋め尽くされていた。山頂の標識もかすれていたし、順番待ちで写真を撮る余裕もない。また山頂ではガスってしまったし、早々に撤収することに・・・少し下ったところで昼飯にした。
宮之浦岳山頂(10:50)
昼飯(11:10)



昼食も終え、下り出す。栗生岳まで降りてきた。岩の塊が頂上ということになっている。その岩には隙間があり、中に賽銭箱が置いてあった。栗生岳からさらに下り、振り向くと、宮之浦岳がガスりかけていた。
栗生岳(11:43)
栗生岳と宮之浦岳を振り返る(11:48) さらに下る(11:56)



小休止後、動き出すと、山の会のメンバーと同級生・S君が登ってくるのに出くわした。S君は我々のようにピストンするのではなく、宮之浦岳の後、山小屋に泊まって、縄文杉へと縦走する予定である。うまくいけば会えるかもしれないと思っていたら、ちゃんと巡り合わせてくれた。明日の縄文杉行きも一本道だから彼に会えるかもしれない。明日の再会を楽しみにお別れした。
S君と出会う(12:05)



どんどん下り、杉の樹林帯では屋久杉の様子を楽しみながら下る。屋久島は雨が多すぎる厳しい気候のせいか、年輪が緻密になる。それが屋久杉の特徴である。淀川小屋も過ぎた辺りからは下りというより登りが多くなる。最後に来ての登りは辛い。そんなところを越えて淀川登山口へ戻った。
緻密な年輪
最後の登りは辛い、淀川大杉(15:43) 淀川登山口へ戻る(15:50)


最後に撮りためた動画をつなぎ合わせたものをいつものように載せておく。

宮之浦岳登山の動画



帰りに紀元杉に寄った。でかいという以外ない(^^ゞ 
ホテルでは昨日と違い、風呂に入ってからの夕食。ゆったりとした酒盛りだった。しかし、明日の縄文杉はシャトルバスに乗り換えての行程である。渋滞が予想されるので今日より30分出発を早めねばならない。結局疲れもあって21時にはバタンキューだった(~_~)
紀元杉(16:19) 夕食




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