正木川 2

   (2007.11.23)  更新 2007.12.8  
岐阜市を流れる長良川の支流のひとつに正木川(まさきがわ)がある。

長良から鷺山・正木を流れて長良川の支流・伊自良川
(いじらがわ)に合流する一級河川である。今でこそ町中のどぶ川のようなものであるが、その流路は戦前、長良川が岐阜市に出てきたところで分派した扇状地河川のひとつ、長良古々川の名残を残した河川なのである。
一級河川、正木川の看板


鷺山本通の道と出会った交差点の先で水路は久しぶりに暗渠から出る。金華橋通を越え、睦看護婦・家政婦紹介所前で鷺山本通を潜って反対側へ行く。そのカーブ地点は板張りで覆ってある。諸事情からこうなったのであろうが、コンクリートではなく板張りなのは風情があっていいもんだ(^^;)
鷺山本通の道と出会う 暗渠から出る
睦看護婦・家政婦紹介所前で反対側へ行く 板張りの覆い





鷺山本通の反対側へ行く。鷺山本通は古々川の堤防だったそうだから、ちょうどこの位置がかつての古々川の流路ということになる。そのまま簡易保険前を通りすぎると水路は鷺山本通を離れる。S字状に曲がって西南西へ流れていく。道が水路に律儀に付いていくのが可笑しい(^^;)
鷺山本通の南側(古々川の流路)に移る 簡易保険前
鷺山本通を離れる S字状に曲がって流れる





さらに水路と道は西南西へ向かう。そのうち道が水路をトレースできなくなるが、さぎの湯近くで一度川端に復帰する。桜並木?になっていてお花見時期はきれいだろう。少し行った若月橋ではとうとう正木川の表示がされるようになる。ということで以後、川という表現に変える(^^;) この辺りから流れる方向も西南西から西北西に変わる。
西南西へ向かう 道が水路をトレースできなくなる
桜並木 正木川の表示



道が川の両側を併走するようになって、まもなく忠節橋通を横切る。ちょうど通りの向こうにはマーサ21(ジャスコ)と川紡の建物がある。何をするつもりかわからないが、鉄柵を打ち込んで工事の真っ最中であった。この辺りから流れる方向も北西に変わる。このあと川は環状線を潜る。潜ったところにあるのが「一級河川・正木川」の看板である。
忠節橋通を横切る マーサ21(ジャスコ)と川紡の建物の横を流れる
環状線を潜る 環状線を潜ったところにある看板



さらに進み、川の向きが北に変わるところにあるのが「正木古川2号橋」である。環状線の信号場所が正木古川西であるから、この橋の名はなんら不思議ではないのだが、「ふるかわ」の音にインスピレーションが走った。

この地名はかつてここらを流れていた古々川を表した地名なのではないか?そして正木川はその古々川の流路をなぞって流れているのではないのか?そしてそれらの事実が東山道における「せんどう」地名のように字地名?としてここに残ったのではないか?
正木古川2号橋(先にあるのが1号橋)



そんな疑問が確信に変わるのはすぐだった。1号橋のさらに先で正木川は伊自良川と合流している。正木川排水機場から堤防に上がり、川上を見ると、繰舟橋が間近に見えたからだ。

繰舟橋といえば先の東山道レポート地図で西北西に進んできた東山道がこの橋の手前で進路を変える所に当たっている。それまで長良川(古々川)の自然堤防上を進んだ東山道は伊自良川に突き当たって進路を変え、古々川を渡ったのち板屋川が合流する辺りを渡河している。

ここでひとつ疑問が出てくる。川を回避するならわざわざ古々川を渡らずとも古々川が合流する前の伊自良川を渡った方が得策ではないのか? しかし、扇状地河川である古々川はふだんは水流が少なかったと思われる。それでも東山道は洪水時の水没・損壊を考えて鷺山の北側を通った。そして扇状地の扇端手前の水が少ない場所で古々川を渡り、常時水がある伊自良川については古川・板屋川が合流する手前で渡河した。こんな図式だったのではないだろうか?
正木川排水機場 堤防に上がる
繰舟橋が近い


東山道通過地点図


長良古川・古々川の締切り解説板



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