小雲取越え(桜峠)こぐもとりごえ) 450m (2010.11.25)  地図

和歌山県新宮市熊野川町小和瀬(こわぜ)−田辺市本宮町請川(うけがわ)
和歌山県新宮市熊野川町小和瀬と田辺市本宮町請川の間にある熊野古道の峠で、熊野那智大社と熊野本宮とを結ぶ峠越えの道にあって、中辺路(なかへち)に属するらしい。

基本的には那智大社と熊野本宮を結ぶため大雲取越えと小雲取り越えを通しで越えるのがオーソドックスなのだが、昔も今も1日では絶対ムリである。したがって大雲取越えと小雲取り越えの間に宿泊地点を設定することになる。

自転車の場合、周回ルートがベストなので、道の駅「瀞峡街道 熊野川」に車をデポして宿泊地点(近くに立ち寄りもできる宿泊温泉施設がある)とし、小雲取越えをやった後に万才峠を越えて戻ってくるというプランにした。
道の駅「瀞峡街道 熊野川」(9:10)




道の駅をスタートし、国道168号線を上流方面へ進む。小雲取越えへは赤木川の谷筋・小口方面で、県道44号線でアクセスする。赤木川にかかる橋を渡ると県道44号線との分岐がある。県道に入ると、すぐ立ち寄り湯・宿泊施設の熊野川温泉さつきが見えてくる。ドーム屋根はスポーツ施設で温泉施設は左である。

小雲取越えは県道44号線方面(9:13) 赤木川にかかる橋(9:14)
県道44号線に入る(9:15) 温泉施設が見える(9:15)



県道44号線は赤木川沿いに走っていく。赤木地内を過ぎると目指す小和瀬の集落前に着く。

県道44号線は(9:15) 赤木川沿いに走る(9:20)
赤木地内を過ぎると(9:29)



小和瀬の集落前には上に大きく湾曲した橋が架かっていた。昔は渡船があったそうで、渡し賃も水量によりけりだったらしく(下記案内板の写真参照)、洪水時の水量が半端ないことがわかる。ここには小和瀬のバス停と東屋のような休憩所、そしてトイレがあるので登り出す前に用を足しておくと良いだろう。

小和瀬の渡し前(9:38)
小和瀬のバス停 渡し場跡の案内板



橋の手前には小雲取越の石碑と案内板が建てられている。案内板によると高貴なお方は熊野川の舟運を利用していたようだし、庶民は自らの足で峠越えをしていたようだ。兎にも角にもまずは赤木川を渡る。もちろん今は渡船ではなく小和瀬橋である。

小雲取越の石碑 小雲取越の案内板
小和瀬橋を渡る(9:51)



橋を渡ったところに階段があって、熊野古道は鋭角に登っている。民家の横を何気なく入っていく感じである。

熊野古道へは鋭角に階段を登る(9:55)



熊野古道はそれなりに道幅があるので迷うことはないが、のっけから結構な急坂である。石段なのか石畳かわからないような道が続く。石畳の多い熊野古道に備え、山靴にパワーグリップというスタイルで来ているので足元は万全である。

のっけから結構な急坂(9:58)
石段なのか石畳かわからないような道が続く(10:00) (10:05)
山靴にパワーグリップ



30分ほど登ると尾切地蔵が現れる。この辺りはなかなか美しい石畳である。しかし苔むして傾斜が付いていると登山靴でも足が滑るのでまいった。

尾切地蔵(10:10)
琴平さん登り口(10:17) (10:05)



さらに登っていくと尾根筋に出た。麓の谷の様子や近くの山が見えてくる。山頂付近はガスって見えにくい。ガスってるだけなら良いが、雨が降るのは困る。道の道の駅でP泊してる深夜には雨降ってたからね。

尾根筋に出た(10:40)
麓が見える(10:44) ガスってる(10:53)



尾根筋を過ぎてもまだ登っていく。しかし勾配は麓辺りに較べると緩くなった感じである。時々現れる土の路面のところに歌碑が立ててあった。「小雲取 のぼり来たれば 枯萱の 光和みて 山伝ふ風」なかなか良い歌である。作者は杉浦勝と読める。何者だろう?ネット検索した結果、地元の歌人ということがわかった。大正14年(1925)、杉浦勝の案内でアララギ派の歌人斉藤茂吉と土屋文明が大小の雲取越を果たしたそうである。そのため斉藤茂吉や土屋文明の歌碑も大雲取越えに建てられているのだ。

まだまだ登る(11:02) まだ登る(11:14)
杉浦勝の歌碑(11:26)



しかし、まだ峠には到着しない。道が平行移動しだした辺りに東屋があった。桜茶屋跡である。茶屋を設けた場所だけあって展望が効いてなかなか良い。時間もほどほどだし昼食タイムとした。

桜茶屋跡手前の東屋(11:40) 桜茶屋跡(11:41)
桜茶屋跡(11:43) 東屋からの展望(11:45)
昼食タイム(12:07)



そして昼食後、最後の登りである。やっと峠に到着。10時ちょっと前に取り付いて12時半到着。昼食に30分くらい費やしてるので実質2時間といったところだろうか?

最後の登り(12:23) 桜峠(12:30)
桜峠(12:30) 桜峠(12:30)



峠から下る。石仏かと思ったら「三界萬霊碑」と見てとれた。よくわからん(ー_ー) そして林道?が横切っている地点を過ぎると石堂茶屋跡である。ここも東屋がある。しかも石畳が敷き詰めてある。

三界萬霊碑(12:42) 林道?が横切っている地点(12:51)
石堂茶屋跡(12:54)



さらに下っていくと賽の河原地蔵があった。賽の河原にしては小規模だが、小石が積み上げられ、お約束のスタイルにはなっていた。さらに下ると舗装道が近づいてきた。皇太子殿下行啓の地なる石碑が建てられている。平成4年だから今上殿下である。この道は麓から来た林道「谷口皆瀬川線」である。この林道を少し辿るとトイレもあるし、貴重なエスケープルートでもある。しかし熊野古道は林道を横切って登っていく。

賽の河原地蔵(13:01)
舗装道が近づいてきた(13:15) 皇太子殿下行啓の地の石碑(13:16)
熊野古道は林道を横切って登る(13:18)



少し行くと展望が開ける。百聞ぐらである。ここから遠く果無し山脈なども望まれ、熊野川の流れも望むことができた。そしてこの辺りで今日初めて人に会った。

百聞ぐら(13:32)
百聞ぐらの案内板 熊野川を望む(13:35)



百聞ぐらから下っていくと、分岐点が現れた。まっすぐ下ると請川。左へ行くと万歳峠を経て熊野古道の伊勢路へつながる。この後、周回ルートにするのと峠ゲットのため万歳峠方面に向かった。

分岐点、右が万歳峠方向(13:48) 下が万歳峠方向、右が下りてきた道(13:48)



最後にいつものようにダート峠での動画である。

小雲取越えの動画



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