樫実峠(カシノミ峠)  270m (2008.11.2) 地図 

島根県津和野町寺田岩瀬戸−津和野町商人あきんど平岩
島根県津和野町寺田と商人の間にある旧山陰道・町道商人線の峠である。出典は「島根県歴史街道地図」樹林舎と「定本・島根県の歴史街道」池橋達雄監修からである。

石見中通り往還枡ヶ峠から緑資源幹線林道を下ってくると、津和野川を渡る栗坪橋に出た。橋を渡ったところが旧山陰道というわけである。
緑資源幹線林道の出口(津和野川を渡る栗坪橋)(7:58)



栗坪橋を渡り、津和野川沿いに走る。少し走った寺田から旧山陰道は岩瀬戸川の谷を辿る。うまく見つけた三差路を左折し、岩瀬戸川の谷へ入っていく。寺田の集落に津和野工房なる建物があった。

寺田の三差路を左へ(8:04) 津和野工房
岩瀬戸川を遡る(8:12)



岩瀬戸川沿いの谷底平野を辿って岩瀬戸まで来ると、写真のような分岐があった。「島根県歴史街道地図」によると旧山陰道は右である。右側の道に置いてある工事予告板で確認すると、右で合っている。今日は通れる。しめしめ。それにしてもこの道は「町道・商人線」というのだな。ここで初めてわかったわ(^^;)。そこで右側の谷へ入り、さらに登る。

岩瀬戸川を遡る大きく折り返して山に取り付く(8:17)
町道・商人線の水道工事予告板 右側の谷を登る(8:22)



ダラーッとした登りが続く。斜面をトラバースしながらも結構直線的な登りである。空が近くなり、峠だと思ったら手前に石仏があった。顔が3つあるところを見ると、馬頭観音さんのようだ。祠の代わりに防護ネットの中に入っている。いや、落石があったら直撃される方にあるから、ちょっと面目ないような気がする・・・

峠も近い(8:28) 峠も近い(8:29)
峠だと思ったら手前に石仏があった(8:31) 馬頭観音



ということで、峠到着。峠はかなり深い切り通しになっていた。

(寺田側)(8:31) (商人側)


峠から下る。林道分岐を過ぎ、平岩・元郷あたりで人家に出会う。ちょっとした祠やお地蔵さんも出てくる。さすが官道だっただけのことはある。ここ元郷から宿谷(しゅくのたに)まで山陰道は廿田峠(にじゅうだとうげ)を越えるのだが、完全に廃道になっているとのことで、このまま商人川の谷を下ることにする。

林道分岐(8:38) 平岩・元郷(8:41)
ちょっとした祠(8:43) お地蔵さん(8:45)


次に香ノ灰の野地蔵さんがお出ましになった。もとは道を見下ろす山の斜面に鎮座していたそうだが、町道商人線の改良工事の際、ここに降りられたそうである。咳止めの御利益があるお地蔵さんだが、なんといってもこのお顔がいい。癒し系といおうか、童子のような天真爛漫さはホッとさせるものがある。野のホットステーションである。

香ノ灰の野地蔵(8:49) 野のホットステーション



さらに下ると三差路に出た。角に立っている看板には今まで辿ってきた「商人」とこれから向かう「宿の谷」とが書かれていた。「宿の谷」とは前に書いた山陰道・廿田峠の麓にある宿谷(しゅくのたに)。つまりこれから向かう先である。そしてバス停は「程彼(ほどがの)の三差路」とあった。

程彼の三差路に出た(9:05)


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