枡ヶ峠ますがとう 230m (2008.11.2) 地図 

島根県津和野町和田-津和野町寺田
島根県津和野町和田と寺田の間にある石見中通り往還の峠である。出典は「島根県歴史街道地図」樹林舎と「定本・島根県の歴史街道」池橋達雄監修からである。

石見中通り往還(いわみなかどおりおうかん)
太田−才ノ峠−大森(岩見銀山)−大代−三原−谷住郷−船坂峠−追原−久佐−上来原−長安本郷−津茂−波田−須川−日原−津和野


日原(にちはら)の町から石見中通り往還は津和野川沿いに進む。いよいよ津和野の手前という地点にこの峠がある。津和野川が青野山の山裾を回って蛇行するため、尾根の鞍部を越えるのである。

アクセスは取り付きがわかりやすい国道9号線・青野山トンネルの脇からにした。
国道9号線・青野山トンネル脇の登り口(津和野側)



はじめから石畳のような断片が見えている。「枡ヶ峠の石畳道」なる看板も立っているのでわかりやすい。しかし、この看板には津和野奥筋街道と記されている。ネット検索してみると、
「石見銀山大森代官所の役人が、大森から都茂を経て、日原・畑迫にあった幕府直轄領、いわゆる天領を往来する大切な道でありました。」
とあるので石見中通り往還とほぼ同じである。登り口には両側にお墓があって、結界を越えてあの世にでも行くような気分になった(--;)

「枡ヶ峠の石畳道」なる看板(7:18) 両側にお墓(7:20)



峠道に入ると、石畳がところどころに残っている。しかし、石が掘れているところもあるし、雨水でグチャグチャになっているところもある。

石畳(7:22) 石畳と石垣(7:27)



かといって、きちんとした石垣もあるので整備してあるのかどうか微妙な感じである(^^;) そしてさらに登っていくと、勾配が緩やかになった。

石畳と石垣(7:29) 勾配が緩やかになった(7:36)



そんななか左側から電線が近づいてきた。変だなと思いながらも峠なのか?と先へ進むと、電線のある場所には車道が通り、ピーク、すなわち峠を過ぎたところで旧街道の峠道をぶった切っていた。旧道のええ雰囲気を楽しみに登ってきたのに興醒めである。そんな心境が言わしめたのであろう・・・
「う〜ん、情けない、情けない」
最後にアップしてある動画でも何度口にしていることか。
何はともあれ、ここが峠であることは間違いない。
峠道をぶった切った車道はさらに高度を上げていく。林道なのだろうか?ときおり車も通る。

車道が峠道をぶった切っていた(7:37) 峠(7:38)
峠から車道へ出てきたところ(7:42)


そして車道の向こうには、旧道の峠道が口を開けていた。今までと変わらない山道である。整備状況は似たような感じである。ところが下りにかかった途端、

車道が峠道をぶった切っていた(7:37) 下りにかかった途端(7:38)


「ガチャガチャ」
刺激的な音と同時に生臭い匂いが流れてきた。
「すわ、熊か?」
その顛末は・・・動画をご覧ください(^^;



この騒ぎで、私ゃ、すっかり戦意喪失してしまった。「可愛そうなんだも〜ん」
そこで、さっきの車道、緑資源幹線林道というのだが、林道を下っていくことにした。旧山陰道を探索する予定があったからだ(^^ゞ 林道を下ると、津和野川を渡る栗坪橋に出た。橋を渡ったところが旧山陰道である。

GPSによる軌跡 緑資源幹線林道の出口(津和野川を渡る栗坪橋)



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