舟見峠大雲取越えおおぐもとりごえ 883m (2010.11.26)  地図

和歌山県那智勝浦町口色川−那智勝浦町那智山
和歌山県那智勝浦町口色川と那智山との間にある熊野古道の峠。熊野那智大社と熊野本宮とを結ぶ大雲取越えの道で、中辺路(なかへち)に属する。

大雲取越えの越前峠と石倉峠を越えて地蔵茶屋跡で大休止する。
地蔵茶屋跡(12:02)

                      大雲取越え全体地図


大雲取越えルート看板


地蔵茶屋跡にある大雲取越えのルート看板によると、次の舟見峠区間までは林道とハイキングコースが平行して走っている。今までが徒歩の倍かかっているし、山道で日が暮れたり、道の駅まで帰り着けなくては困る。そのため、ここからは峠以外は林道を選択することにした。そのため2度ほど熊野古道が林道と交差した。

林道を走る(12:19)
熊野古道が林道と交差(12:20) 熊野古道が林道と交差(12:27)



林道走りしたおかげで、割と早く色川辻に到着した。ここには八丁の掘割という切り通しがあって、北向きの尾根筋に上がっていく方には「八丁の掘割、小麦街道、小麦辻1km富士見台1.8km・・・」なんぞという看板がある。また掘割から西方へ下っていく方にも「八丁の掘割、花折街道、口色川1.9km」という看板がある。辻に立ててある道標によると、ここから地蔵茶屋跡まで2.5km、目指す舟見茶屋跡までは1.1kmである。ちなみに那智山までは5.5kmである。

色川辻に到着(12:28) 地蔵茶屋跡2.5km、舟見茶屋跡1.1km、那智山5.5km
「八丁の掘割、小麦街道、小麦辻1km富士見台1.8km・・・」の看板(12:27) 「八丁の掘割、花折街道、口色川1.9km」の看板(12:30)



色川辻から古道に入る。石畳のような路面である。入り口には無縁地蔵、安政年間に作られている。この辺りだろうか?南方熊楠がヒダル神に取り憑かれて足が動かなくなったという所は・・・飯を食べたら治ったそうだから、舟見峠を過ぎた安心感からハンガーノックに陥ったものと思われる。

色川辻から古道に入る(12:34) 無縁地蔵、安政年間(12:35)
峠道(12:49) 倒木地点(12:52)



いよいよ舟見峠である。一般的な峠は山の鞍部だが、ここは天辺に近い。広範囲な地図でも883mに当たる所で、とにかく尾根筋の一番高い山頂に位置するような場所なのである。そんなだから電波塔だって近くにある。そして尾根筋だから展望も良く、はるか潮岬方面も見える。

電波塔が近くにある舟見峠(12:59) 舟見峠
舟見峠の展望台へ(13:00) 舟見峠より潮岬方面(13:01)



舟見峠から舟見茶屋跡までの間は熊笹に覆われた道。でも熊笹の間から石畳が覗いている。舟見茶屋跡の案内板がある。茶屋跡には東屋があった。茶屋跡からは案内板にあるように那智湾・勝浦温泉が眺められた。

舟見峠直後の石畳(13:02) 舟見茶屋跡(13:05)
舟見茶屋跡の案内板 茶屋跡の東屋(13:06)
那智湾・勝浦温泉の展望(13:07)



舟見峠を過ぎたらできるだけ早く林道に出たかった。何しろ道の駅に車をデポしているから、そこまで帰り着く必要があったからだ。何度か林道が見える地点はあった。でも無理矢理下りるような所ばかりだったので熊野古道をそのまま進むしかなかった。7番石碑・那智山3.5km地点も林道は近かったけどなあ(--;) 急な下りを過ぎて、登立(のぼりたて)茶屋跡を過ぎても、まだまだプップッまだプップッ。そしてやっと林道との接続地点が現れた。

石畳(13:18) 7番石碑・那智山3.5km(13:24)
登立茶屋跡(13:39)
登立茶屋跡の案内板 林道との接続地点(13:44)



そして林道を下っていき、県道43号線を経由して那智へ下った。下りていってから輪行してると時間がかかるし、どうせこのあと海岸線の大辺路を探索する予定である。それなら紀勢本線の駅に自転車を置いて、自分だけ新宮まで電車、新宮から道の駅まではバスという計画である。しかしそれらの交通機関の接続には15時台を逃すと17時台まで列車はない。したがって何とか15時台に間に合うように車道を使ったわけである。

林道を下る(13:55) 県道43号線を経由(14:04)
紀伊勝浦駅から電車に乗る(15:18)

これだけ緻密な計画を練っても漏れはあるもので、自転車の鍵を忘れていた。駅に置いておくにはキーロックしておくことが文字通り鍵となる。それで那智の町まで下りてから自転車用の鍵を探し回って2駅先まで走る羽目になったのはご愛敬である(^^ゞ


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