天辻峠 790m (2005.9.24) 地図

奈良県五條市西吉野町永谷 −五條市大塔町阪本天辻(てんつじ)


奈良県五條市西吉野町永谷と大塔町阪本の間にあり、西熊野街道最大の難所であった。現在下方に新旧2本のトンネルが穿たれ、国道168号線として西熊野の要路になっている

またこの峠は幕末に五條代官所を襲撃して旗上げした天誅組が幕府の追討軍に対抗するため本陣を置いた地であった。

道の駅「吉野路大塔」に車をデポして走り出す。
道の駅「吉野路大塔」(6:11)



道の駅のすぐそばに峠へ登り出す分岐点がある。「天誅組本陣遺跡」の案内があるのですぐわかる。

いきなりの劇坂である。それもそのはず峠道は尾根伝いに登っているのだ。そして道沿いに家々が点々と建っている。これが天辻の集落のようだ。名前といい峠道の様子といい天辻側が柳田国男がいう「峠の裏側」に間違いなさそうだ。
峠へ登り出す分岐 国道の新天辻トンネル



天気がイマイチで霧が流れる中、ドンドン登る。峠と同じくらいの高さまで登ったところに「天誅組本陣遺跡」はあった。ちょっとしたお堂(天辻延命地蔵尊が納められている)を前にした広場である。ここは天辻小学校の跡地でもある。平成16年8月廃校らしく、天誅組にちなんだ「維新歴史公園」として整備したばかりという場所だった。いずれにしても物資集散の地として重要な位置にあったことだけは確かであろう。
天辻延命地蔵堂(6:33) 天辻小学校跡地の碑
維新公園の碑



「天誅組本陣遺跡」を辞し、峠へ向かう。道は尾根筋を離れ、高さを変えずに山肌をトラバースして峠の鞍部へ近づいてゆく。峠は霧が流れて見通しが悪かった。

峠にはバス停のような小さな建物と林道川又天辻線の看板があるだけで仏様も何も無い。廃車が捨てられている他は何もなさそうに思ったら五條側へ少し下りたところに「富貴辻の道標」があった。
天辻峠(6:43) 富貴辻の道標と看板
富貴辻の道標看板


この下に2本のトンネルがあるのだが、この悪天候で再度探索する気力が萎えてしまったので道の駅まで戻り、出屋敷峠へ向かうことにした。