熊本県津奈木町津奈木(つなぎ)−芦北町大川内(おおかわち)
熊本県津奈木町津奈木と芦北町大川内の間にある峠で、佐敷太郎峠・赤松太郎峠とともに三太郎峠とよばれる、薩摩街道時代からの難所の1つである。 津奈木峠は国道3号線の旧道で峠は完全な山道である(2.5万図参照 )。旧国道には煉瓦造りのトンネルがあるので行ってみた。このパターンは天城越えと同じである。天城峠は山道でもオープンスペースだったから自転車を押し担ぎできた。しかしここは岩をくり抜いたような劇坂をよじ登るようなので探索は諦めた(よそ様のサイト参照)。 |
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国道3号線から旧道(左)へ入る |
旧国道の入り口に「雨天時通行止」の表示がある。少しビビルが雨天ではないのでそのまま進む。ゆったりとした登り道である。落ち葉散り敷きの道は通行量の少なさを物語っている。
雨天時通行止 | |
落ち葉散り敷き |
林の中に道案内があった。薩摩街道のものらしい。完全に山道である(ー_ー) 途中、現在の国道3号線を見下ろせる所があった。そして広域広域基幹林道との交差点の先にトンネルが現れた。
薩摩街道の案内板 | |
国道3号線を見下ろす | |
広域基幹林道 |
旧国道のトンネル・津奈木隧道である。明治34年(1901年)に造られた煉瓦造のトンネルで長さ212m。扁額が嵌め込まれている。読みにくいが「津奈木隧道」と掘られているようである。トンネル上部から壁伝いに造られた排水溝も残っていて、天城隧道のように登録有形文化財になっている。登録文化財のプレートも煉瓦造りの台座にはめ込まれていて津奈木町の凝りようが分かるというものだ。
津奈木隧道(津奈木側) | |
排水溝も残存 | 扁額 |
登録有形文化財 |
隧道に入る。もちろん内部も煉瓦造りになっている。芦北町側にも登録有形文化財のプレートがある。台座には御影石(花崗岩)が使ってある。マニアック度は津奈木町に負けるが、花崗岩と煉瓦とではどっちが予算がかかってるだろう?
津奈木隧道(津奈木側) | 隧道内部 |
芦北町 | 登録有形文化財のプレート |
隧道から下る。岩をくり抜いたような道筋を辿りながら1.5車線の道をくねくねと下り、国道に合流する。
国道に合流 |
最後に冒頭の佐敷太郎峠・赤松太郎峠とともに三太郎峠と呼ばれた地名の由来だが、目からうろこの地名由来によると「太郎」は「たら・たろ・たる」というなだらかにたるんだ地形名を意味しているそうである。