槻木峠(つきぎとうげ) 784m (2013.5.11) 地図 2.5万図

熊本県多良木町槻木−多良木町久米

熊本県多良木町槻木と多良木町久米の間にある県道143号・中河間多良木線の峠である

酷道265号線の田代八重ダムから輝嶺峠へ行かず、そのまま綾北川・槻木川の谷を遡ると自然に到達する。私は輝嶺峠から転進したので写真の平谷から左へ行くことになる。もう槻木の中心地付近である。
平谷



槻木川の谷を遡る。幅員減少と表示があってもすぐ元に戻ったりする。「槻木トンネル早期着工」の看板辺りから本格的な峠道になる。確かに幅員もこれなら狭い。

「槻木トンネル早期着工」の看板
本格的な峠道



ヘアピンカーブも現れるが、一度だけで大した屈曲はなく、淡々と登っていく。

ヘアピンカーブ



そして峠はトンネルになっている。名前も「槻木峠トンネル」である。平成19年なら10年も経っていない。しかしこれは補修工事をした年のことらしく、元は素掘りのトンネルだったらしい(参考ページ)。それでも幅3m、高さ4mの車しか通れない狭小なトンネルである。この看板の手前に馬頭観音さんらしき石仏があった。馬頭さんがあるのは当時馬借などが往来していたことを示しており、ある程度重要な道だった証拠である。

峠のトンネル
馬頭観音さん?



今でこそ矮小なトンネルだが、峠は県境ではない。そもそも槻木谷は宮崎市で海に注ぐ大淀川水系本庄川の支川に当たる。それが何故熊本県なのか?

たぶん、田代八重ダムの上流付近は谷が非常に険阻で、槻木地区は熊本県側と交流した方が安全だったのだろう。文字通り「肥後の庇護を受けていた」わけだ。ところが現在では谷筋の道を造る方が経済的で、峠越えは時間もかかるし不便きわまりない。そのため麓に長大な「槻木トンネル」をという動きになってきたわけだ。

そんな現状から見ると、トンネル付近にあった「しあわせ峠in槻木小学校PTA」の立て札は悪い冗談みたいだ(ー_ー) ちょっと前まで、この峠は槻木集落にとってライフラインだったろう。時代の移り変わりで価値基準が変わってしまったのである。



しかし、そんなトンネルの先には大展望が待っていた。多良木町の中心部が見えるのである。ここに立った時、この風景は槻木の人をホッとさせたであろう。やはり「しあわせ峠」に違いない。

トンネル先の大展望



峠から下る。槻木側に較べ、クネクネ度も標高差も段違いである。ヘアピンカーブも嫌になるくらいある。これが新しい「槻木トンネル」を希望する大きな理由に違いない。

ヘアピンカーブ群



これだけのヘアピンカーブ群をこなすと、やっと勾配もゆるくなってくる。そして看板に多良木駅の名前が出てくると長い下りも終わりである。

麓付近



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