笹谷峠(ささやとうげ)  1530m (2008.5.28) 地図 

山形県山形市関沢−宮城県川崎町笹谷
山形県山形市関沢と宮城県川崎町笹谷の間にある国道286号線の峠である。

ここは仙台と山形を結ぶ最短路であるため、お隣にある二口峠とならんで利用された。そのためか有名な逢坂の関、不破の関、勿来の関、白河の関のように古代から有耶無耶の関(うやむやのせき)が設けられていた。しかし、有耶無耶の関は鳥海山の麓・遊佐町の国道7号線・三崎峠にあるとのことで、いまいちハッキリしない。

とにかく笹谷から登ってみた。山形自動車道に沿って登る。不思議と古代の道と高速道はルートがオーバーラップする。
山形自動車道に沿って登る



自動車道のガードを潜り、高速道に沿って登ると、分岐に看板が出ていた。地図と案内板である。なになに?ここから左へ入るのが旧道! でも遊歩道で約6kmとなっているので自転車は国道を行くのが無難だろう。

小滝の集落の対岸からトンネル方面へ登り返す 境小滝トンネルと旧道
笹谷古道入り口の看板



山形自動車道と別れ、大きく曲がりながら登る。麓にあったのと別の高圧線を潜って登る。

山形自動車道と別れる 高圧線を潜って登る



峠道は何度も屈曲して登る。車道ですらこんなんだから旧道の遊歩道はいかばかりか?そして国道のおにぎりも錆び付いている。なんで高速が通ると1車線道はこうも設備が寂れるのか?これ一本というときは気合いが入っていたけど、高速があるなら適当でいいやってな具合なんだろうか?

720m付近 国道のおにぎりも錆び付いている
ヘアピンカーブ



ふたたび高圧線が並んでくると峠は近い。旧道への入り口らしき案内柱もある。このあたりが八丁平というのだろう。

高圧線が並んでくると峠は近い
旧道への入り口らしき案内柱



そして峠に到着。えらくでかい県・市町境の看板が立てられている。

峠付近には斎藤茂吉の歌碑も建てられている。
『ふた國の 生きのたづきの あひかよふ この峠路を 愛しむわれは』という歌で、たづきとは手段とか手がかりの意味らしい。つまり、宮城と山形両国で生き、そしてい行き交う術である峠路を私は愛おしむよ。生きが生きると行くとの掛け言葉であろう。

笹谷峠
笹谷峠(宮城県側)
笹谷峠(山形県側) 斎藤茂吉の歌碑



山形県側には駐車場があり、山形平野(盆地)が一望である。そしてその道路脇に笹谷峠散策路案内図があった。予想どおり有耶無耶の関まで行くには歩いて35分かかるそうだ(--;) そういえば有耶無耶の関というような無責任きわまる名前はどうして付いたのだろう?

こちらのサイトを見ると吾妻鏡の頃は大関と記述されていたのが、いつも霧が『むやむや(もやもや)していて』天気がハッキリしない。また笹が生い茂り、曲がりくねって『先がうやむや』なロケーションだから関本来の呼称より特徴をあらわした方言の呼び名で広く世間に広まったのではないかという。

山形平野(盆地)が一望 笹谷峠散策路案内図



山形県側の下りは輪をかけてクネクネと屈曲している。また中腹には旧道入り口がある。

山形県側の下りはもっとクネクネ
中腹には旧道入り口がある



道の屈曲は麓の関沢まで続いた。ようやくクネクネが納まるころ山形自動車道が近づいてきた。

道の屈曲は麓まで続く 山形自動車道が近づく


関沢ICからの合流路と高速道のガードを潜る。大きく逆S字を描くと関沢である。

高速からの合流地点ともなるとさすがに国道286号線のおにぎりも錆や剥げは見られない。ホント現金なもんだ(^^;)
関沢IC


峠コレクションへ刈田峠へ