おにゅう峠  820m (2004.5.8)   地図

福井県小浜市上根来(かみねごり)−滋賀県朽木村(くつき)小入谷(おにゅうだに)

小浜市上根来と朽木村小入谷の間に2003年10月にできた林道の峠である。 できたての新しい峠やから「おnew峠」(*^_^*) ・・・ではなくて、小浜側の「遠敷(おにゅう)」と朽木村側の「小入谷(おにゅうだに)」から付けられたと思われる。

この「にう」とか「にゅう」という地名は日本各地にある。「丹生(にう)」とは「丹(アカ)い土」の意味で朱や水銀を採った土地を表すらしい。弘法大師が全国を廻った(四国88ヶ所)のも水銀発掘による収益を渡唐の根回しや布教のために使ったという説があるくらいなのだ。だから、ここ、おにゅう峠の両側に同じ「にゅう」地名があるのも、やはり水銀を産した土地だったからではないだろうか。
峠の石碑



2003年4月にkeroさん、レオさん、oookaさんが、鯖街道の上根来坂峠にアタックしたときには林道の工事中だった。そして完成した直後の10月9日に通られた、岐阜の琵なまさんが「できたばかりの林道の峠あります」とメールで知らせてくれた。で、北山の八丁平ともども行く気満々だったが、11月に手をケガして行き損なったため、今回のリベンジとなったわけである。

おにゅう峠の麓、上根来は遠敷川から少し上がった高台に位置している。山里ではあるが、新しい共同墓地など生活の匂いがする土地だ。
林道上根来線の看板(標高300m地点 8:05)


畜舎の廃施設がある地点(上の写真:林道上根来線の看板ありからダート林道が始まった。林道はフラットダートとネットでは紹介してあった。確かにできたてで路面は良い。それでもダートには違いなく、峠まで標高差520m登るのは結構大変である。

林道を登りだしてすぐ、鯖街道の山道が現れた。元気だったら山道に入るところだが、今週の仕事爆で営業室をバタバタ走ってたら太股を痛めてしまい、山道を500mも押し担ぐ気力はとうに失せてしまっていた。で、林道をそのまま登っていった。途中は面白くもない道だったが、2/3も登ると、眼下に上根来の集落が見えるようになり、気持ちは良くなった。
鯖街道入り口(8:08) 眼下に上根来の集落(8:54)


そこから少し行った所に鯖街道が合流して、分岐する地点がある。林道と共有する部分は非常に少なかったので、ある意味正解、ある意味失敗だったかもしれない。今も使用できる?大きな井戸と祠が中腹にあるみたいだけど、発見できなかったからね(ToT)。でも林道で登り、下りで鯖街道を使うという手はありかもしれない?
鯖街道合流点(9:01) 鯖街道合流点(9:06)



百里ヶ岳登山道の入り口を過ぎ、しばらく登ると、林道の峠に出た。単に切り通しただけの殺風景な峠である。真新しい地蔵堂と真新しい石碑がとってつけたようだが、そのうち馴染んでくるかもしれない。

峠からは福井県側の上根来の集落が見えるし、滋賀県側も展望が開けている。その辺は新しい峠のメリットだろう。峠にはジムニーが1台止まっており、写真を撮ってもらった。
おにゅう峠全景(9:27) おにゅう峠地蔵尊



ジムニーの御仁、百里ヶ岳へ登山するらしく、鯖街道の峠へ行くなら同行しようということになった。鯖街道の根来坂峠へ行くにはその道しかないそうなので、一度登ってきた百里ヶ岳登山口まで戻って山道に入った。(根来坂峠へ
百里ヶ岳登山口(9:50)

根来坂峠に到達し、引き続き山道を降りてくる。尾根筋かと思ったら斜面のトラバースで、結構アップダウンがあり、下に見えている林道になかなか辿り着けなかった。最後はスイッチバックで林道に出た。
林道に戻る地点(10:37)



一度、峠に戻り、石碑のところで昼食をとった。食べてる最中に老人グループの車が来て、ひとしきり話に花が咲いた。

「ここで出会ったのも縁だから」と一緒に写真を撮り、いろいろ話しをしてくれた気さくなおばあちゃんに感謝!楽しかったよ。
峠の石碑(10:50)



楽しい時間はあっという間に過ぎ、老人グループに別れをつげて下り出した。滋賀県側も展望が凄い。途中で目にする林道の尾根筋道はとても格好良かった。あの辺りが焼尾地蔵になるのだろうか?
尾根筋の道?(12:07)



焼尾地蔵の前まで降りると、ふたたび鯖街道が合流してきた。その後、街道が分岐した様子はないので、その下は林道で破壊?されてしまったのかもしれない。
焼尾地蔵(12:12) 鯖街道分岐



麓まで降りると、「林道 小入谷線」の看板が出ていた。県が違うために林道の名前が違うのか?どちらも自分の所から建設したような主張をしている。お役所仕事やなあ(ー_ー)
小入谷の集落は上根来と違い、川の畔にある。かきつばた群落や、ログハウス風の建物が多く、高原の風情が漂うお洒落な場所だった。しかし鯖街道の痕跡がどこにも見あたらないのは寂しかった。
林道 小入谷線」の看板(12:21) 小入谷(12:26)