野道峠(のどうとうげ) 550m (2006.4.20) 地図
山口県山口市徳地柚木と阿東町の間にある国道315号線のトンネルと旧道の峠である。
山口市徳地側から登る。登坂車線のあるお定まりの国道を登り、トンネルに到達すると、その脇にこれ見よがしの旧道がある。こんな簡単でいいのかなあ?
ちなみにトンネル名は栃山隧道。野道峠の隣にある峠の名前だ。国道(昔から国道だったのか?)をトンネル化したのなら、ふつう峠と同じ名前にするはずだが、違うのは何故だろう?
野道峠は野道山(924m)から来てるのだろうが、栃山峠の由来はわからない。徳地の山(とくちのやま)が短縮されたのだろうか?栃山隧道と旧道
ともかく旧道へ入る。入った途端にダートになった。いや舗装の上に乗った土でダートになっているだけなのだが、その土が分厚すぎて、本物のダートになっているのだ。雨水が浸食した後は立派な溝ができているし、草ボウボウの場所はぬかるんでいるし、その下に舗装路面があるとは信じがたい状態だ。おまけにガードはないし、ここは本当に国道の旧道だったのだろうか?
それでも我慢して進むと電信柱が出てきた。ちょうどそこは栃山トンネルの真上に当たり、国道を走る車が見下ろせる場所だ。
どう見てもダート! | 電信柱 |
トンネルの真上 |
さらに進むと分岐点が現れた。左側は轍が付いていて真っ直ぐ。右はヘアピン状にカーブして登るし轍も付いていない。分岐には「作業道・重ヶ線」の標識杭が倒れている(ー_ー)
道の状態だけなら左へ行きたくなる。しかし地図から地形を観察すると、右側の方が旧道のように思われたので右の道を選択した。
分岐点 「作業道・重ヶ線」の標識杭
右側の道に入ると写真のような草木が繁茂する中を突破していく。道幅はほとんど1車線で、車両の離合など不可能な状況だったが、そのうちに河内山雨量観測所が現れた。ここだけは道幅が広く、舗装路面が健在で、機器の点検などのために車両が入っても何とかなりそうな場所なのだ。
自然に還りそうな道 河内山雨量観測所
そこから間もなく峠に到着した。けっこう急傾斜なトップである。
これまで何ひとつ峠道らしい遺構を見つけられなかったが、ここでひとつ発見。朽ち果てる一歩手前の看板だ。辛うじて徳地町と読める。それも旺盛な植生から引き剥がしてやっと判読できたくらい錆びついた代物だった。
峠 徳地町の看板
峠の先には電波塔が見えている。ななななんと、電波塔まで行くと、左から来た林道との合流点から整備されたダートが来ている。その電波塔は「NTTドコモ・野道峠基地局」。この基地局のおかげで旧道が廃にならなかったとも言えるので有り難いとしか言いようがない。
また基地局の近くに日本山岳会が付けた「中央分水嶺」の札があった。そういえばここは小峰峠・仏峠と来る中央分水嶺の峠でもあったのだ。
そこからダウンヒルし、あっと言う間に現国道との合流点まで下りてきた。この合流点に「林道 野道峠線」の石柱があるが、この林道は反対側の「作業道・重ヶ線」とつながっているのだろうか?
野道峠基地局 合流点
トンネルまで戻ると、そこには「国道315号線、野道峠、標高427m」の看板があった。トンネルの名前が栃山隧道なのにヌケヌケとよくこんな看板が出せるものだ。
全く常識を疑うよ。栃山隧道手前にある看板