長浜峠  27m (2008.11.1) 地図 

島根県浜田市長浜町−浜田市日脚町ひなしちょう
島根県浜田市長浜町と日脚町の間にある旧山陰道の峠である。出典は「島根県歴史街道地図」樹林舎からである

浜田の城下町(浜田藩、古田氏→松平氏)を過ぎて、海沿いに行くと、長浜に至る。ここは古くから開けた港町で、室町時代から戦国時代には、この辺を支配した周布氏(すふし)が長浜港(現浜田港)を拠点として朝鮮と盛んに交易を行った。江戸時代には西廻り航路の寄港地であった。

そんな長浜港の夜明けにたたずんでみても、そこには漁船がいるだけである(^^;
長浜港



長浜から旧山陰道は南へ直角に折れ、小さな峠を越えるという。しかし、その直角に折れる地点がわからない。下の写真の辺りらしいと見当をつけてみると、あったあった!角には山陰道などとは一言も書いてない(--;) そこで、車一台がやっとというような道に入っていく。町中の路地といった風情である。

旧山陰道への入り口



その路地を辿ると踏切に出た。山陰本線である。長浜峠に連なる起伏を越えるためであろうか?今まであった山陰道も築堤でぶった切ってしまっている。したがって山陰道の方が築堤沿いに道を直角に登って下りるように変更されられてしまっているのだ(゚o゚)

山陰本線の踏切 道を直角にして鉄道の築堤を越えている



踏切を越えると、道の真ん中に側溝がある。いや、側溝を造ったときは道幅が狭かったからだと思われるが、山陰道は律令制時代には、小路といえども道幅は3mあったはず。だから後世になって道を狭めたせいかと考えられる。そんな侘びしい道路事情を見ながら登る。横に石碑のある祠(長浜峠の地蔵堂)が現れたので、やっと街道らしい感じがした。

道の真ん中に側溝 長浜峠の地蔵堂



祠を過ぎて、ため池の横を通り、軽くうねった坂道を登る。崖には椿の花が咲いている。

ため池 軽くうねった坂道を登る



そして何の変哲もない住宅の横が最高地点。すなわち峠だった。

何の変哲もない住宅の横が長浜峠



峠から下ると国道9号線の横に出てくる。そしてそのまま下って、麓に出たところの三差路を左折すると、国道9号線と合流する。三差路を右へ行くと海岸沿いの道へ行ける。

国道9号線 麓に出たところの三差路



ということで、海岸沿いの道から長浜へ帰ってみた。県道241号線である。浜田市立第三中学校の横を登る。峠部分では山陰本線が併走している。しかし、こちらの峠には、ちゃんと祠があって、石仏がにぎにぎしく鎮座している。旧山陰道の峠には何もなかったのに・・・世の無常を感じさせる峠だった(--;)

浜田市立第三中学校の横を登る 峠部分では山陰本線が併走する
峠部分の祠


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