耳取峠(みみとりとうげ) 150m (2012.5.22) 地図 2.5万図

鹿児島県南さつま市坊津町坊(ぼうのつちょうぼう)
鹿児島県南さつま市坊津町坊にある国道226号線の峠であうる。

枕崎市を過ぎて海岸沿いのアップダウンを走ったので、どこからが峠道か判然とはしないから、枕崎市から南さつま市に入るところから始める。
南さつま市との境



海岸線の観光国道だからか2車線で、海が見えなければ面白くも何ともない道である。時々出てくる看板には「かごしまロマン街道」とある。○○街道というのは本来どこかへ行くために造られたのだから行き先とか地域の名前が付いていないとおかしい。それが「かごしまロマン」では地域の特定ができないではないか!

「鑑真記念館」がある?鑑真といえば奈良時代に唐から渡来した高僧で、奈良で唐招提寺を創建した。日本へは6回目の航海でやっと辿り着いたが、その上陸地点がこの先にある坊津の秋目だった。だから「ロマン?」そんな甘っちょろいネーミングしたら鑑真が怒るよ!

南さつま市坊津町坊



なんて、悪態をつきながら登ると、写真のような峠の看板が立ててあった。例によって漢字の字面にとらわれ「罪人の耳」などとバカなことをほざいている。なんで耳を切り取るのにこんな風光明媚な所でやる必要があるのだ。少しは考えろ!2説目は「見惚れ」が転じた説である。まだましである。しかし「見ほれ」が「みみとり」には簡単に転じないと思う。調べてみるとやはり、同じことを思う人はいるもので古代文化研究所さんのブログでは、『見とれ』が『みみとり』に訛ったとする方が自然だろう。とされている。

しかしこの「みみ」地名は目からウロコの地名由来の「隠岐西ノ島町耳耳浦の地名由来」の項によると断崖や崖地を意味する「継(まま)」が訛ったものであるという。地名語源辞典にも「まま(真々、間々、万々、儘)」は崖・急斜面の意とあり、同じ意味の「はば」「ばば」にはごく普通に変わる音韻変化だという。ここ耳取峠に崖があるかどうかわからないが、2.5万図を見れば崖っぽい地形である。

ところで耳取峠からの開聞岳の眺望は絶景であるとのことだが、ザンネンながら見えんかったのでカシバードの想定図を載せておく(--;)

耳取峠の看板
峠からの展望(カシバードによる)
耳取峠



というわけで、開聞岳が見えていれば最高だが、どうにもならない。看板の反対側に耳取峠展望所がある。峠も市町村の境界線ではないので標識の類はない。

耳取峠展望所
耳取峠



峠コレクションへ | 今藤峠へ