草軽電気鉄道  (1997.5.17・18) 1998.9.3 更新




ジェフェリー製デキ13電気機関車

草軽電気鉄道とは
軽井沢と草津温泉という有名なリゾート地を結んでいた鉄道で大正年間に建設されました。

この鉄道の特徴は山や谷といった障害物に対して等高線沿いに線路を敷設するという手法を使ったところにあります。つまりトンネルや長大橋といった金のかかる施設を作れなかったわけなのですが、そのかわりにトンネルばかりで味気のない新幹線と比べると噴煙をあげる浅間山などの綺麗な景色を眺めながらのんびりした旅を楽しめるものだったようです。

等高線に沿って作られているということはカーブが急であるということで脱線も多く、スピードも15kmと走れば乗れるようなものだったそうです。昭和37年に橋梁流出・国鉄(長野原線)・バスによる経営圧迫により廃線となりました。


草軽探偵団
私を廃鉄にひきずりこんだ草軽電気鉄道を FCYCLO の廃線派の皆様は96年秋に一度探索しておられます。
その時は草津温泉から北軽井沢間でタイムリミットになり全線探索は次回「草軽2nd」に持ち越されました。
その時の探索活動のことを誰言うとなく草軽探偵団と称するようになったのでした。

草軽2nd                               
 97年5月、私めも遅ればせながら草軽探偵団に加えていただくことと相成り、軽井沢駅で藤井さん、HiSさん、Mr.スポークさんと合流してから北軽井沢に集合しました。ここから草軽電鉄跡をトレースする旅の始まりです。
1日目                                           
本日の目的地である二度上(にどあげ)方面へは木立の中の軌道跡の道を進みます。途中、浅間山が見える畑の横で昼食をとりました。おお!カッコウが鳴いている。なんと廃ソなことでしょう!

栗平駅跡と思われる資材置場からは藪の中へ入ります。落ちかけた橋や、橋の遺構のない谷を迂回したりしているうちに藪が深くなってきます。まだ頑張るのか?撤退か?左手の崖下を覗くと、アスファルトの車道が見えます。嘘でしょう!探偵団は次の瞬間、立ち木につかまりながら崖をズリ落ちていったのでした。

その先、沢の欠損部やゴルフ場にさえぎられて、一日目のトレースが終了しました。  
北軽井沢駅

2日目
 1日目は遺跡や軌道跡のトレースも少なくちょっぴり残念でありました。本日は国境平から先の予定ということで、とりあえず国境平へワ〜プ。しかしワ〜プし損なった者が私とジークさん。某ゴルフ場入口まで暴走しました。幹事のOakBearさん、お迎えご苦労様でした。

国境平の十字路の所で本日飛び入りのガリラヤさんと合流し、ここからが探索の開始です。
     
国境平付近
                             
 車道とクロスしている軌道跡を見ると、なんか変?まわりの林より廃線跡は1m近く低いんです。普通、鉄道の路盤というのは盛り土をしたりして小高く造ってあることが多いのに、ここは逆に凹んでますねえ。昨日の栗平付近の片斜面(崖下りのあたり)でも路盤に較べて路肩部分はわざわざ30〜50cm高くなっていて、その盛り上がりの向こうは何の造作もなくストンと剥き出しの崖になっていました。 

廃線時にバラスを撤去したえぐれかな?とも思いましたが、そもそも草軽って経費節減のためバラスがなく地面にそのまま敷設したというような記憶で、石組みやバラスといった工事も少なかったんじゃないでしょうか。つまり、もともとえぐって造ったのではないかというのは私だけの感想でしょうかね?
       国境平の軌道跡


      
二度上駅舎 昨日は遺跡が少なかったのでこの際、二度上駅を見ておこうという事になり、探し回ったあげく別荘地のテニスコートの裏から軌道跡へ入りました。

二度上駅へはゆるく長い下りを辿って行きます。えらい長いなあ!もうあきらめようかという時、OakBearさんが単身偵察に出かけて、ようやく右手の藪の中にバラックが建っているのを発見しました。

駅舎はボロボロでしたが、壁などに当時の時刻表や新聞が貼ってあって、文字通りタイムスリップしたような感じがしました。







軽井沢林道 






 長日向駅付近 
国境平の十字路まで引き返し、軽井沢林道へと入りました。この林道は軌道跡とほぼ一致するらしく、みんな喜々として下っていきます。長日向駅跡近くの広場で昼食をとり、さらに下ります。迷い迷いしながら「軽井沢会館」の庭へ出ました。ここの裏庭が小瀬温泉駅の跡だそうです。



柳橋の橋脚
しかし何か忘れていませんか??本日の遺跡 PART2 です。テキストによれば、少し戻ると柳橋橋梁が見られるようです。皆、行こう行こうということになり、探検を再開しました。

軌道跡が分岐する部分を探しながら林道を下ると、林の中にえぐれた跡が・・・更に分岐点にはタイヤの輪止めが・・・

早速、藤井さんが藪に突っ込んで行き、その後を皆がついていきます。ジュラシックパークを思わせる大きなシダが生えていて異様な雰囲気です。歩くこと数分、古びて少し欠落した石積みの橋台が現れました。ああ!やっと来たぞーって感じですね。
     
小瀬温泉に戻り、落葉松沢バス停付近から右手に分岐する細道に入ります。舗装されたばかりと思われる道を、左手に軽井沢の町を見下ろしながら快適に下って行きます。別荘地の脇を通り抜け、道が何本か合流した場所へ出ました。ここらに鶴溜駅があったようです。その先、道は別荘地脇の藪の中へと消えています。 

軌道跡とはしばし離れ、別荘地内を突っ切って下り三笠まで降りてきました。精進場川を渡った所が三笠駅のあった場所らしいのですがそれらしいものは何も・・・いや精進場川の橋の下を覗くと鶴溜側の橋台が石積みで、遺構のようであります。 
鶴溜駅跡へ
                                               
ここからは市街地に入り、観光客で一杯の旧軽井沢を抜けて新軽井沢駅跡である草軽交通のバスターミナル前へ草軽探偵団の一行は到着したのでした。


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