出雲の旅2   地図   (2003.5.17〜24)      更新 2003.6.1


コース
境港−島根半島−大山−亀嵩−二本松峠−帝釈峡−赤名峠−たたら製鉄−月山富田城
 
今日(20日)は、周辺の峠をじゅうたん爆撃食らわし、最後に久比須峠から亀嵩入りをする。やっと「砂の器」の登場だ。それではここでおさらいしておこう。

「亀嵩(かめだけ)高級算盤(そろばん)の産地として知られているが、一般的には松本清張の「砂の器」の舞台として有名だ。

 ストーリー
東京、蒲田駅構内で殺人があり、当初担当刑事は秋田県の亀田へ飛んだ。聞き込みから前夜、蒲田駅前のバーで東北弁の被害者と酒を飲んでいた男が話していた「カメダ」という言葉が手がかりとなったためだ。しかし、土地の名前や、亀田という姓の者も含め、解決の糸口はなかった。

被害者の住所は岡山県で東北地方とは縁もゆかりもなかった。捜査の中で出雲地方の方言と東北弁が良く似て聞こえることがあり、被害者が巡査として勤務した「亀嵩」(カメダケ)という地名がなまって聞こえたのが、聞き込みで得た「カメダ」ではないかと刑事達は推理しだした・・・
   亀嵩算盤のメーカー(町と駅との間にある)


学生時代に原作を読み、ストーリーより「カメダ」と「亀嵩(かめだけ)の符号の方が楽しかった私は、当時から地図ヲタクであった。亀嵩には峠も温泉もある。しかもJR木次線(きすきせん)の亀嵩駅は駅長さんがおそば屋さんという有名な駅。ちなみに「砂の器」は1974年に映画化され、大ヒットしたが、後日岐阜県図書館にてビデオで確認した。この映画のために作曲された主題歌「宿命」は30年後にTV化された際にもストーリーを盛り上げた。

立ち寄り湯「玉峰山荘」でお風呂に入り、駅まで来ると何と「本日休業」の看板(T_T) 今日は店じまいで明日も休業日らしい。
                亀嵩駅


仕方ないのでホームへ出てみると、うまい具合に列車がやってきた。しかし「砂の器」の石碑も見つからず、その日は失意のうちに終わった。
                            亀嵩駅ホーム


これでは終われない。日程上、瀬戸内側から返す刀で亀嵩はもう一度通る手筈になっていた。

その当日(23日)は亀嵩駅のおそば屋さんも営業していた。今度こそとお風呂屋さんに行く前に営業時間を確認し(午後5時を過ぎてからお客さんがいなくなってくると閉めるそうだ)、念願のおそばを食べた。

店内(駅舎内)は有名人の色紙や新聞雑誌の切り抜きが所狭しと飾ってある。初代の委託駅長さん、杠(ゆずりは)さんというそうだ。自転車ツーリングのイラストやエッセイを書いてる人と同じ名字だねえ。
              店内の展示物


島根県仁多郡仁多町亀嵩にある 砂の器 舞台の地 の石碑 そして、お店で確認した「砂の器」の石碑は国道端の神社脇にあった。何と立ち寄り湯「玉峰山荘」から見えるような所じゃないか!!お風呂ばかり見てたから、盲点だねえ。

「砂の器」の石碑の横にある湯野神社も映画の撮影に使われたらしい。
                     「砂の器」の石碑


当初の訪問日に気が付いていたが、ここの交通標語は傑作である。

  「ここは かめだけ うさぎはいない

えらい笑ったねえ。小説「砂の器」における「カメダ」と「かめだけ」の勘違いに匹敵する面白さだった。
        交通標語


最後に亀嵩のおみやげである。外せないのが銘菓?「砂の器」、パイ生地の中に小豆あんが入ったなかなかの逸品である。

そして亀嵩算盤(そろばん)。でもこれは全国ブランド。ちょっとした文具店ならどこでも手に入る。だから算盤を買っていっても意味はない。そこで見つけたのが算盤の玉を使った鍋敷き。これ結構可愛いでしょ。
      算盤の玉を使った鍋敷きと銘菓「砂の器」


秋田にネットの自転車仲間がいる。1000峠オフにも来てくれたZizouさんだ。彼は何を隠そう鉄っちゃんでもある。その彼が同じような日に奇しくも秋田県の亀田に行ったそうだ。で貰った写真がこれ。
             亀田城        刑事が最初間違って飛んだ亀田駅



秋田県の亀田は亀田藩2万石・岩城氏の城下町であったそうで、上の写真はその亀田城である。

「砂の器」に出てきた亀田駅もZizouさんにおねだりして、撮ってきてもらった。それが右上の「羽後亀田駅」。駅近くには小説で刑事が飛び込んだような食堂まであるのだそうだ。

羽後亀田駅の周りにも何もないそうだが、駅構内には3本以上レールが敷設してある。対する亀嵩は・・・
レールも1本だけだった(--;)


              明日へ続く
     駅近くの食堂             羽後亀田駅構内




ホームページ | 出雲の旅3へ | TOURING REPORT