板谷峠(いたやとうげ)  759m (2008.5.27) 地図 

山形県米沢市板谷−米沢市大沢
山形県米沢市板谷と米沢市大沢の間にある旧羽州街道(米沢街道・板谷街道)県道154号線の峠である。

国道13号線の東栗子トンネルを出て鎌沢にかかる板谷大橋を渡ると板谷の分岐である。
板谷大橋



分岐を左へ行くと板谷集落を経て板谷峠に行ける。県道に入ると山の残雪が美しい。

板谷の分岐 残雪が美しい



板谷集落に入ると、街道筋にあったと思われる食堂と酒屋の前に奥羽本線のスイッチバック「板谷駅」の跡が現れた。いまでもレールとスノーシェッドを残してあるし、山形新幹線が走る現役路線なので一見の価値がある。

土湯峠
奥羽本線のスイッチバック駅だった板谷駅を通過する山形新幹線つばさ
山形新幹線つばさと板谷駅



しかし、ここは過疎地域のようで2007年3月まであった分校も休校になり、米沢市内の学校へは鉄道通学しなければならなくなった。
鉄道通学する小学生



板谷駅から峠道を登る。ヘアピンカーブ手前に「旧羽州街道石畳」の看板があった。

「旧羽州街道石畳」の看板があった



ヘアピンカーブを上がると展望が開け、残雪の山がまた見えるようになる。送電線をくぐり尾根筋登りに転じたところに「新上杉街道・旧米澤街道」と書かれた大旗山の家があった。

送電線 大旗山の家



峠の手前には「大野九郎兵衛の供養費」なる案内板があった。赤穂浪士の吉良討ち入り。討ち入りで吉良を取り逃がした場合のことを考えてあった。吉良は上杉家に逃げ込むだろうから上杉家の領地である米沢藩の入り口・板谷峠に第二陣・スイーパー役を配していた。その第二陣のリーダー・大野九郎兵衛がここで切腹したのだそうだ。

「大野九郎兵衛の供養費」なる案内板



「大野九郎兵衛の供養費」なる案内板の先に分岐があった。実際の峠はその分岐を左へ曲がった先ということになる。昔の街道は峠からJR奥羽本線の峠駅付近を経由して下っていくのだが、現在の峠道はここからまっすぐ高原状の峠を越えて米沢へ下っていく。

板谷峠付近
旧街道筋(右・峠駅方面、左・萱峠方面)



分岐から車道の峠へ向かう。「大型車通行止め」の看板がある。中腹でくぐった送電線が近づいてくる。周りは高原風景だ。振り向けば残雪の山。

「大型車通行止め」の看板 送電線



うん、ここが峠だ。道は簡易舗装というか砂利道に近い。

車道の峠



下っていくと枝振りの良い松。ここが街道だったらなあという感じだ。杉木立の中を下る。けっこう狭い道なので大沢の集落に到達してホッとした。

枝振りの良い松 杉木立
大沢の集落 水窪ダムへ行く道との合流点


平野部に出て奥羽本線が傍に寄り添ってくるともう米沢である。
奥羽本線が寄り添ってくる


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