あたらしや 2

              2006.11.18 更新 2006.11.25  
うちの両親は新婚旅行のとき金沢を訪れた。そのとき泊まったのが、金沢の湯涌温泉だった。昭和27年当時、湯涌に旅館はひとつしかなかったそうだが、後に行ってもどこの旅館かわからなかった。

息子も最終学年を迎え、金沢へ行けるのもあとわずかというタイミングなので母を連れて親孝行がてら、湯涌温泉に泊まってみることにした。



食事編・夕食
お風呂から戻ってくると、食事が出されていた。
ここの食事は昔懐かしい部屋出しなのだ。食堂へ食べに行くスタイルに慣れてしまった身には新鮮に写る。


付き出し、お刺身
付き出しにはつぼ貝(アカニシ)、サーモンの寿司、チーズ・エビ・キュウリの松葉さし、煮こごり、かぶらなどに紅葉したもみじの葉が添えてあった。

お刺身は平均的なもので、ブリ、甘エビ、まぐろ、鯛などである。
付き出し お刺身など



汁物、焼き魚
焼き魚の前に出てきた汁物。仲居さんが説明したけど、よく覚えていない。練り物のようでもあり、まんじゅうのようでもある。上には柚子らしきものが乗ってる。

焼き魚は鯛と聞いたが、見るからに違う。食べてもサワラのような感じがした。ブリの照り焼きのようにも見えるがブリほど脂はのってなく、さっぱりした味だった。横についてる手長エビが珍しかった。もちろん食べられる。
母も言っていたけど、ここのお料理はナカナカいい味出してる。器といい、板さんがこれだけのものを出すなら料亭のようにお品書きを出してくれたらいいのにと思う。もちろんその日によって入った良い材料で作るのだろうから、お品書きまで手が回らないかもしれないが、お品書きがあれば、こうやってホームページで紹介するにも苦労しないで済むだろうしね。
焼き物、さわら?手長エビ



ぶり大根、麩まんじゅう
ぶり大根である。少し辛目の味付けである。上に鯛の卵が乗せてあった。

麩まんじゅうはあまり見たことがない料理だ。ほうれん草・パプリカ・ナス・カニなどが添えられている。
ぶり大根 麩まんじゅう



天ぷら、毛蟹の酢のもの
あっさりしたものが続いた後はこってり。
天ぷらのメイン素材はふぐ。衣にアーモンドをまぶし、カラッと揚がっている。もとよりフグはあっさり系だし、天ぷらにしても重たくはない。ほかにキク芋、青紫蘇、菊の葉、ギンナンなどが揚げてあった。

毛蟹は北海道ではよく見たけれど、これは地元北陸産の毛蟹だそうだ。やっとカニにありつけたぞv(^^)
天ぷら 毛蟹の酢のもの



味噌汁、デザート
味噌汁は白味噌。単なる味噌汁かと思ったら中から小さなあさりが出てきた。
デザートは夕張メロンに洋梨のラ・フランス。生クリームとペパーミントが乗せてある。メロンの切れ目に皮の切れ端を挟む手法が粋だと母と妻が感心していた。
久しぶりのごちそうだった。
味噌汁 デザート



食事編・朝食
朝食も部屋食である。その前に係さんが布団上げにやってくる(^^;)

お庭とかお風呂の写真を撮りに行って帰ってきたら朝食が並んでいた。
朝食の全容



湯豆腐、煮物
やはりここの朝食はちょっと違う。朝から湯豆腐だ。固形燃料で熱してはいないので、暖かいものから手を付ける。煮物も温かいのですぐに食べた。ふきが添えられているのと、お揚げの中にギンナンが入っていた。ふつうは餅が入ってることが多いので少し驚いた。
朝から湯豆腐(゚o゚) 煮物(お揚げ)



味噌汁、干物、いかそうめん、
味噌汁は白味噌。まあ普通のお味。
干物は何の干物かなあ?
いかそうめんは美味い。佐渡で食べたのが最高だとすると2番目に美味い(^^;)
青物はいんげんか十六ささげの鷹の爪和えではないかと思う。あまり覚えていないが・・・
味噌汁 干物
いかそうめん いんげんの鷹の爪和え?



ポテトサラダ
これは何でしょうねえ?デザートでしょうか?私の大好きなレーズンが上に乗っかっているのでデザートみたいに見えます。でもポテトサラダのようです。

食べてみました。中からサツマイモが出てきました。まあ、ここの板さん、中に色々隠すの好きですねえ。えっ?サプライズやて?
そうとも言う(^^ゞ
ポテトサラダ



お庭
さあて、最後はここのお庭の紹介である。
良く手入れされた庭木やお庭なので参考にできることも多い。さらに庭木にはそれぞれ名札が付けられているので見てても楽しかった。コブシ、ヒメシャラ、クス、ドウダン、ナナカマド、エゴノキ、フジ、カクレミノ、ゴヨウマツなどがあったね。
玄関から対面の秀峰閣を望む 玄関外から戸田屋を望む
コブシ、ヒメシャラ、クス
燕庭前を通り 外からあたらしやの全景



サプライズ
ところで、ウチの両親が新婚旅行で泊まったという旅館であるが、母によるとマッカーサーが泊まった部屋だとか皇族が泊まった部屋がある旅館らしい。また当時湯涌温泉で一軒きりのお宿だったという。

結婚したとき北陸の温泉に行きたかった父が同僚に聞いて豪華な宿ということで予約したらしい。片山津に二泊したのち兼六園を見てタクシーで湯涌まで来て一泊したのだという。

その後もう一度行きたいねえと言っていたが、それを果たすことなく父はあの世に旅立ってしまった。最近湯涌温泉に泊まったことがあった母だが、その旅館はとうとう見つけることができなかった。
玉泉湖
そこでチェックアウトをしながら女将にその旅館のことを聞いてみた。
確かにそういうお宿はあったそうだ。白雲なんとかという宿で今はないとのこと。でもGHQが接収したとかマッカーサーの話は事実だそうだ。

ここからはネットで調べた話。
昭和7年に湯涌温泉に開業した白雲楼ホテルは東洋一といわれた豪華なホテルで、戦後はGHQが接収して保養施設にしていたそうだ。その後経営難で1999年に倒産・解体された。いまは旧江戸村と一体で整備をされているとのことである。だからマッカーサーが泊まったというのも本当なら、母が探してもわからなかったのも本当だったのである。

しかし、もっと驚いたのはそういう物件(廃屋)専門サイトがあることだ。ネットのお友達が教えてくれた情報を頼りに突き止めた該当サイトは当時のパンフレットから倒産後の変遷、そして取り壊しの様子まで記録してあった。そして取り壊しはなんと今年の春のことだった。白雲楼ホテルがあった玉泉湖畔も私たちは夕方散策したというのに・・・半年遅かった。残念だ!



氷見ブリ
あたらしやをチェックアウトし、昨日クラブの用事で会えなかった息子と合流する。
さて、今日はどうすべえ?と考えたとき美味しいものを食べに行くにも敦賀(カニ)ならいつでも行けるけれど、氷見(ブリ)はなかなか行けないだろうということで、寒ブリを食べに氷見に行くことにした。

氷見付近は峠あさりにはしょっちゅう来ていたから土地勘はあった。でもグルメ旅はしていないので美味しい食堂など知らないし、突然来たので下調べもしてない。そこでツーリングマップルに載っている道の駅に行ってみることにした。するとレストランはあるし、海産物も市場のように売ってるので大喜びで入った。私ゃ何はともあれブリが欲しかったのでブリづくしにしたかったが、そういうものはないので一番豪華なやつを頼んだ。刺身と照り焼きとブリかまっぽい煮付けくらいがブリみたいだ。
私が食べた豪華版 息子はなぜか海鮮丼セット



10段ソフト
食事も終わり、ここまで来たら東海北陸道経由の方が安くて早かろうと高岡ICへ向かった。息子が時間があるなら有名なソフトクリームを食べたいということで高岡の10段ソフトを食べに行った。ソフトクリームの巻きが10段ということでこの名前が付いたらしい。お店は町中のちょっとしたお菓子屋さんという感じだ。大きさは美富士食堂ででかいのを見てるのであまり驚かなかったけれど、これで130円という値段には驚いた。
10段ソフト 見た目はふつうのお菓子屋さん



ベトコンラーメン
ソフトを食べ終え、これからの道筋を確認していたら、「ここまで来たら下道(したみち)」と言う外野の声にぶち切れて、息子を高岡駅で降ろすのを忘れて福光までひた走ってしまった。福光から金沢行きのバスがあるからとの言葉を信じてのことだった。ところが福光駅発金沢行きの直通パスはあるにはあったが、3時間おきの1時間後に出発というタイミングで息子には申し訳ないことをした。

福光で息子と別れ、岐阜まで高速のETC通勤割引と下道とのコンビネーションで戻った。北陸道廻りよりも1時間以上早く帰れたようだ。

この旅行の最後に岐阜にいながら食べたことのなかったベトコンラーメンを食べることにした。
これはベストコンディション・ラーメンの略で焼きニンニク10個以上、ニンニクの芽、ニラ、タマネギ、豚の脂身、モヤシなどが入った強烈なやつだ。食べ物もそうだが店内も油ぎっており、ベタベタっとした感じでいかにも凄そうって感じであった。
香蘭、尻毛店 ベトコンラーメン

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