鳥屋峠(とやとうげ)  888m (2004.8.22) 地図 

岐阜県白川町佐見(さみ)有本(ありもと)−東白川村越原(おっぱら)曲坂(まがりさか)
白川町の佐見有本と東白川村の越原曲坂を結ぶ峠道である。江戸時代から峠に鳥屋(とや)があったことから名付けられたそうだ。また鳥屋とは言うまでもなく東濃地方で昔から行われていたカスミ網漁のための小屋である。バイブルによると、昭和45年ぐらいまでは実際に鳥屋をやっていたようである。

この峠を越えたことがあるという”いまき”さんのご案内でオフを行うことになった。バイブルでさえ越えられなかった峠に行ける喜びでその日が待ち遠しかった。
有本の分岐(12:30)



中屋峠を降り、佐見川の谷を遡る。有本神社のある上佐見・有本まで来ると、峠への分岐がある。分岐を右に折れ、佐見川を渡って対岸へ登る。登ったところにため池があり、ため池の畔から右の山間へ上がる道が峠道である。
ため池の横にあるスペースで昼食(13:00) 峠道入り口(13:50



いきなりの山道で、始めから担ぎ押しが始まった。ご案内の”いまき”さんによると、前はもっと木々・下草が生い茂っていて、分岐も定かでなく、右往左往して、随分時間がかかったそうだが、今日はかなり整備されていて、非常に楽とのことだ。山道を入ってすぐの分岐を左へ行き、沢を渡る橋の手前にも分岐があるが、橋の方向が峠道である。
いきなりの担ぎ押し(13:58) なかなかきついぞ(14:00) 沢を渡る橋(14:12)



この辺りから、道は周りより少し凹んだうとう状になってくる。道が凹んでいるのは歩きこまれたせいか、雨水でえぐれたせいかは定かでないが、よく見ると、石畳の痕跡のような石が散見される。これは意外に歴史があるのかもしれない。

登りの半分以上を過ぎた辺りに沢を渡る地点があり、休憩するのにちょうど良かった。
少し凹んだ峠道(14:19) 沢を渡る(14:23)



その辺りまでが谷筋を登ってきたとすると、そこからはジクザグに尾根を登っていくような感覚だった。傾斜が急だったので、こちらは峠の裏側のような感じがした。しかし地図を見ると、有本側は谷を詰めてから峠の尾根を巻いて上がるような作りになっている。道が斜面をトラバースするようになると、峠がその先で待っていた。
鳥屋峠全景(14:41)



峠には馬頭観音さんが鎮座しており、「有本村笹俣儀平建立 弘化四年(1848)」と彫ってある。得てしてこういうものは御利益を蒙る人や資産家などが造るものであるから、やはり有本側が峠の表側であるのは間違いなさそうだ。集落が開けたのも佐見側の方が早いらしい。
峠の馬頭観音(11:00)



さて、越原側であるが、峠の真下まで林道が来ている。しかし自転車を担ぎ下ろさねばならないほど下にできていた。しかもこちらかなと思った方向は行き止まり、峠から降りていくときに見えた方向へ辿ると、尾城山への分岐を過ぎてから嬉しい下りになる。そうそう、この林道「東ヶ洞作業路」というのだそうだ。
林道まで担ぎ下ろす(14:57) そっちは行き止まりだぞ〜(15:00)



けっこうなダートをかなり下って、舗装路に出た。そこに「林道曲坂線」の看板が出ていた。さらにどんどん降りて、国道256号線に出て、写真のお店でビールで乾杯した。

曲坂側の旧峠道は東ヶ洞作業路から見るとかすかに見えた。でも林道ができて、廃になっているらしく、バイブルでも辿れなかったらしい。2.5万図で確認するとまごうことなき尾根道になっていて、やはりこちらが峠の裏のようである。
林道曲坂線との合流点(15:32) ビールで乾杯(15:50)