灯篭見坂(とうろうみざか) 91m (2017.5.18) 地図 2.5万図

福井県福井市 山内町(やまうちちょう)-福井市 坪谷町(つぼたにちょう)
福井県福井市山内町と坪谷町の間にある県道32号清水美山線の旧道にある。ふくい健康の森の近くにある小さな峠だ

ひとつ前の「花立峠」を2499峠にせざるを得ないのを確信するたび私は忸怩たる思いにとらわれた。せっかく積み重ねてきたのに名もない峠をメモリアルPASSにせねばならないのかと・・・しかし、それは杞憂に終わった。ここが持つ見事なマニアックさが私の五感を満足させてくれた。

国土地理院の2.5万図で発見したので「花立峠」から降りてから行ってみた。

県道3号線および6号線から福井市山内町志津が丘の三差路で県道32号線に入る。目印は「ふくい健康の森」だ。
県道3号線および6号線から県道32号線に入る    


県道32号線に入り、「ふくい健康の森」方面に走る。少しづつ登っていく。やがてサミット手前に目指す旧道との分岐が現れた。2007年にできたという現道に対し、すでに10年が経過しているため旧道は鎖で閉鎖されている。

県道32号線福井市大森町地内 同山内町地内 
 少しづつ登る サミット手前で旧道を発見 


旧道も舗装路ではあるが、10年の月日は自然の浸食を許し、どれだけの道幅があったか入り口付近では判然としない。倒木があったりしてナカナカの廃ソサエティである。登るにしたがって旧道といえども2車線だったことが明らかになる。それだけの道幅があるので峠近くでは道の両側がブロックで固められた切り通しにしてある。昔の峠道を掘り下げて、造られたと思われる。

旧道は自然の浸食が著しい  倒木が行く手を遮る
 2車線だった旧道  切り通し形状。峠が近い


そして峠に到着した。峠の看板はない。その代わりにブロックの中に埋め込まれたお地蔵さんの祠があった。2500峠としてメジャーでもなければ忘れられたとしか言えないような峠だけど、お地蔵さんが祝ってくれた。それで私は満足である\(^o^)/

峠と祠  
 お地蔵さん  


峠付近は切り通しの谷間になって光が差し込まないからか植生の浸食は少なく、束の間の平穏を感じた。自転車用GPSナビでは110mと表示されているので切り通しの高さは20m近くあるようだ。

サミット?  
 反対側から  
自転車用ナビで位置確認  


峠から坪谷町側に下る。当時の標識でも道幅は減少し、屈曲していた。これが新道を作った理由のようだ。道は苔むしてスリップしないか怖い。ガードレールこそ現役だが廃加減もナカナカのものである。

道幅減少、屈曲 苔むして怖い 
 廃道度もかなりのもの  視界が開ける


視界が開けると新道が見えてくる。間もなく新道との合流(分岐)点も見えてくる。やはり鎖で隔てられ、あそこが娑婆との境になっているのがわかる。

新道が見えてくる 新道との合流(分岐)点 
 娑婆との境  


そこで新道をサミットまで戻って?みた。もちろん2車線道のストレートである。旧道どうよう切り通しになっている。サミットには標識も何ない。旧道以上に愛想なしである。さらに山内町側の旧道分岐まで戻ってみた。もちろんすぐそこだった・・・

新道を戻る  新道のサミット
反対側より  旧道分岐(山内町側)

地元のサイトによると、
『灯篭見坂は福井市中心部から越前海岸に抜けるルートのひとつとして使われていたようで、大正6年の地図にも「郡費支弁の里道」となっている』
ことから、その当時からある程度の道幅があったようだ。
いずれにしても2500峠として面目を施したので良かった良かった。


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