宇山峠(うざんとうげ)  544m (2008.3.23) 地図  

岐阜県郡上市和良町野尻−郡上市八幡町入間(いるま)
岐阜県郡上市和良町野尻と八幡町入間の間にある八幡街道の峠である。

和良から八幡へ行くのに、ほとんどの和良の人はこの峠を通ったそうだ。当時宇山峠を通る道は20分ぐらいで越せたが、県道側を通る道(国道のことか?)はだいたい1時間ぐらいかかったという。

道の駅「和良」に車をデポして探索を開始する。国土交通省の美濃の峠では「うざんとうげ」になっているが、峠の麓にある宇山橋は「うやまはし」なるプレートが付いている。いったいどっちが本当なのだろう・・・
「うやまはし」のプレート(12:43)



読みはともかく、宇山橋から下り、伊藤木管(株)和良工場の中を通って峠道に入る。行く手の山に送電線が見えてるから間違いない!

伊藤木管(株)和良工場の中を通って峠道に入る(12:44)



土石流危険渓流・木曽川水系宇山谷の看板がある。道はダブルトラックの草付きダートである。地図のとおりヘアピンカーブを2度過ぎて登った谷奥のカーブの頂点から山道に入るようである。入り口ははっきりしないが、入ってみると歩けそうな窪みがあった。しかし、まっすぐ入って谷を登るとすぐ大規模な倒木で行けなくなった。

土石流危険渓流・木曽川水系宇山谷の看板(12:46) カーブの頂点から山道に入る(13:02)
入り口ははっきりしない(13:02) 歩けそうな窪み(13:04)



アチコチ迂回しても、その先にも倒木満載なので一度入り口まで戻って地図をよく見てみた。すると道は谷の真ん中ではなく、北(右)側の斜面をトラバースして登っていくようである。そう思って木々を透かして見ると、斜面を横切る道のような筋が見える。そこで入り口から右へ登る窪みの方向を探索してみると、少し上方で木に結ばれたピンクのビニールテープを発見。しかもちゃあんと道がある。こちらにも倒木はあるし、傾斜は急だけど谷底とは較べものにならないくらい楽な道だ。やはり昔の道は谷道ではなかったのだ(^^;)

右へ急に登る窪み(13:12) ピンクのビニールテープ(13:19)
峠道発見(13:20) 傾斜は急(13:24)



そんな峠道でもところどころにある倒木はもの凄く、道から外れて迂回しながら峠を目指さなくてはならない。最後の倒木地帯など、もう止めようかと思ったくらいだ。それでも単身迂回ルートを探して、本道に戻ったとき行く先に峠らしき空間を見たときにはホッとした。

倒木(13:28) 倒木(13:31)
最後の倒木地帯(13:32)



急いで自転車を取りに戻り、迂回ルートを担いで本道に戻り、ようやく峠に到達。峠は鞍部というより杉が林立する広場という感じで、峠の脇にはコンクリート造りの祠が建てられていた。

宇山峠
宇山峠(13:47)



コンクリートの祠の中にはお地蔵さまが2体。美濃の峠によると、
宇山峠地蔵尊石仏。峠の頂上付近には、南北に約20m、東西に約10mぐらいの平らな部分がある。北東に2体の地蔵尊石仏が安置されている。この地蔵尊石仏は建立「元文5年(1740)」建立主は「和蔵野尻」と刻寺がある。右手に錫杖、左手に宝玉をもっているが錫杖はない。高さ50cm 幅15cm 台座13cm(2体とも)両石仏は祠(昭和60年)に入れられている。
とのことだ。この調査時にあったという錫杖も宝玉もなくなっていた。おまけに首には修復跡が見られることから頭部が落ちたこともあるようだ。いずれにしてもここまで来ることができたことに感謝して合掌礼拝〜

峠のお地蔵さま



来た道を振り返ると急な山道。入間の入津側は今までと同じような倒木が見えている。麓からは郡上市議会議員の選挙カーから声が聞こえてくる。それを聞くと行けそうな気がする。それでも美濃の峠では降り口で道がなくなっているという。峠コレクション的には峠トップに立てればオッケーなので、ここで引き返すことにした。峠の広場には石灰岩だという大岩がいくつもあった。

峠道を振り返る 行き先の様子
石灰岩? 峠の広場



山道の下りだけ動画を撮った。加茂屋ベロムービーに付けてルートログを取っていたハンディGPSを外し、カメラを乗せ替えて撮影開始。ヘルメットに付けるやつに較べると迫力がないのは致し方ない。撮影はピンクのビニールテープが結んであったところまでである。



麓まで引き返し、峠直下にある、その名も「蛇穴(じゃあな)」に寄った。この挨拶みたいなネーミングの洞穴にはこれまたよくある伝説が伝えられている。アホらしいので写真で載せるので読んでみてくれたまえ(ー_ー) この蛇穴、美濃の峠によると、反対側にある洞窟とつながっているらしい。この付近には美山鍾乳洞とか大滝鍾乳洞などの石灰岩が分布する地域になっているようで、ここ宇山峠の下にも鍾乳洞があるようだ。

プレート 蛇穴遠景



最後にハンディGPSのログを載せておく。山林や倒木の中を徘徊した割にはよく取れてるでしょ(^^;)


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