手蓑峠(てみのとうげ) 345m (2012.5.22) 地図 2.5万図

鹿児島県鹿児島市喜入瀬々串町(きいれせせくしちょう)南九州市川辺町野崎
鹿児島県鹿児島市喜入瀬々串町南九州市川辺町野崎の間にある県道23号・谷山知覧線の峠である。また峠の上には指宿スカイラインの知覧ICがある。

鹿児島市喜入瀬々串町で国道226号線から県道23号線に入る。
国道226号線から県道23号線に入る



知覧茶とか知覧武家屋敷の看板が並ぶ。知覧は特攻隊基地があったところなので、原野とか田畑くらいしかないのかと思っていたので正直意外だった。

2車線の峠道を登っていく。登坂車線もあって勾配はそこそこある。

知覧茶とか知覧武家屋敷の看板
登坂車線



登坂車線が終わると、知覧IC300mの看板が見え、峠が近いことがわかる。峠の頭上には川辺峠のように指宿スカイラインの陸橋が通っている。南九州市という国籍不明の看板があるだけで峠名の標識はない。

登坂車線も終わると川辺IC分岐の標識 峠手前
手蓑峠(知覧側)



しかし少し知覧よりに行った道端に手蓑・知覧茶発祥の地の説明石碑があった。

手蓑・知覧茶発祥の地の説明石碑


雨に降られて立ち往生し、茅を編んで蓑を作った下りは戯作者が好みそうな物語でたぶん創作だろう。現在の漢字にとらわれて意味を考えるからこういう間違いを犯す。「テンノ」と発音することもあるならそれがオリジナルだ。漢字は中国からの輸入品である。もともと音声で表現されていた地名に同じ音の漢字を当てはめたのが始まりである。漢字の字面で解釈してはならないのだ。

市町村合併でもそうだ。相手の川辺町頴娃町よりも人口が少なかったからかもしれないが、江戸時代から続く由緒ある知覧の名前を捨て南九州市という国籍不明のネーミングにするなんてバカの極みである。近世史で知覧を知らんモンはおらん。知名度も知覧が上なのは指宿スカイラインが知覧ICとしていることからも明白。勿体ないことだ。

河邊(かわなべ)頴娃(えい)別説)も古代からあり、対する知覧は古代の院(郷)名とのこと。「ツラミ(川沿いに連なった集落)」からとか「ち(地)ら(原)見(海)」のこととか諸説あるらしい。


峠コレクションへ | 木床峠へ