天下の奇祭を訪ねる (雑誌サイクルスポーツ2003年3月号掲載) 2003.3.22更新


前書き

サイクルスポーツの「CSコースファイル都会を抜け出すマップ」第5弾。
今回は峠道は雪の怖れありとのことで、平野部のコースを依頼されたので小牧・犬山方面を紹介することにした。

本文

小牧市にある田縣(たがた)神社と、隣接する犬山市にある大縣(おおあがた)神社では、天下の奇祭(?)として名高い豊年祭が行われている。田縣神社の豊年祭は毎年3月15日。そして大縣神社の豊年祭は3月15日以前の日曜日だから、ちょうど本誌が店頭に並ぶ約1ヶ月後。というわけで今回は、この両社を回るコースを紹介しよう。


クルマでのアクセスを考えて、犬山市の工業団地にある竹田製菓「お菓子の城」(営業時間:9時〜18時=土・日・祝、9時30分〜17時=平日、定休日、水・木曜、入場料:1200円=土・日・祝、800円=平日)をスタート地点とする。

無料駐車場があるし、疲れて帰って来ても甘いお菓子が待っている。「お菓子の城」の東を走る道路へ出て、道を南下。5つつ目の信号(久保一色南1)を左折して東へ辿ると、田縣神社の信号に出る。
        お菓子の城


田縣神社には五穀豊穣・万物育成の神である御歳神(みとしのかみ)と子宝・安産の神である玉姫命(たまひめのみこと)が祀れている。活気は感じられるものの、一見した感じは普通の神社。

しかし神殿に足を踏み入れるとビックリ。そこには木で作られた大きな男根が祀られているのだ。そう、これがご神体。さらに神殿の裏手には玉姫命のものと思われる姫石もある。神社の隣にある土産物屋も珍なるもののオンパレード。といっても非常におおらかなので温泉街の怪しいお店とは異なりカラッとしているのが特徴だ。
    田縣神社(マウスを置くと、おやまあ!)

この田縣神社の豊年祭は毎年新しく作成される大男茎形(おおおわせがた)を厄年の男たちが御輿にかついで奉納し、世界平和と万物育成、豊年を祈るというもの。行列の中では巫女さんが白木のご神体を抱いて歩いたり、それを見学の女性に触らせたりと、それはそれは珍なるお祭りなのだ。

          珍宝窟だそうだ (^^;)


さて田縣神社はこれくらいにして、次の大縣神社へ移ろう。信号を渡ると名鉄小牧線の田縣神社前駅。踏切を渡り、薬師川まで来たら左折。川沿いに北へ進む。何本か橋を横切るうちに「薬師川」の看板が建つ橋が現れる。右折してこの橋を渡り東へ行くと山べりに大懸神社がある。
        「薬師川」の看板が建つ橋


大縣神社のご神体は神社の裏にある標高292mの本宮山。よって本宮社は山の頂にある。大懸神社の横からMTBを押し担ぎすれば、本宮山の頂上にも登れる。頂上からの景色はもちろん抜群だ。ただ、ここで紹介するのは麓にある姫之宮である。
              大縣神社


男性の神である田縣神社に対して、こちらは安産・子授けなど女性の守護神として崇敬されている。そしてこの姫之宮の方が神社としての格式は田縣神社より上。参道もしっかりしてるし、檜皮葺きの社殿も歴史を感じさせる良い建物である。それもそのはず、垂仁天皇の御代から存在し、江戸時代には一宮市の真清田(ますみだ)神社に次ぐ尾張国二宮と称せられたのだから歴史が違う。
             大縣神社、社殿


もちろん、姫之宮では”女性自身”を形どった「姫石」や「姫木」など安産の御神体が揃っている。ただここの豊年祭は田県神社のものより地味らしい。やはり女性の神さまだけあっておしとやかなのか?
         姫石が祀られている


さて、この後は本宮山の裏手にある入鹿池(いるかいけ)やそのほとりにある明治村に行ってみるのもいいし、MTBクロカンのメッカ、八曽(はっそ)に行くのもいい。さらに足を延ばせば、犬山モンキーセンターに国宝犬山城と、観光名所には事欠かない。

大縣神社の参道をそのまま西へ辿ると名鉄小牧線の楽田駅(がくでん)。そして車を置いた「お菓子の城」の南の信号に戻る。もちろん名鉄でアクセスすることも可能だが、小牧線は不便なので車の方が良さそうである。
      楽田駅にある石碑


                           データ関係(2003年1月4日)

【行程】 【タイム】 【距離】
お菓子の城
田縣神社 0:12 3.0
大縣神社 0:20 4.0
お菓子の城 0:15 4.0
合計 0:47 11.0



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