桜ライトアップ

    (2006.4.15)   更新 2012.4.8  
岐阜新聞に岐阜県白川町水戸野(みどの)にあるシダレザクラの巨木がライトアップという記事が載った。下呂市の苗代桜のように水面に映るのだそうだ。

一昨年(2004年)、苗代桜のライトアップは見たことがある。その熱気は今でも心に残っているので、今度は妻と行きたいなと思ったところへ母が遊びに来た。
「そんないいとこなら連れてって!」
私に否やはないので3人連れで行くことになった。



ライトアップといっても明るいうちの画像も押さえておきたかったので、午後1時に出発。

行きがけの駄賃に岐阜市大洞願成寺にある中将姫誓願桜(ちゅうじょうひめせいがんざくら)へ向かった。
願成寺



中将姫誓願桜は樹高8.1m、花弁が20弁から30弁、ヤマザクラが変化したもので国の天然記念物に指定されている。中将姫が願成寺の観音を慕って大和当麻寺から来て病気や難産を救うために植えたものと伝えられている。、

要するに八重桜なわけだが、ふつうの八重桜のようなピンク色というより墨衣のような白い花びらで桜のように見えない。そして雨の中、前より暗い感じに見えた。
中将姫誓願桜



明るいウチに白川町水戸野のシダレザクラを押さえた後、先に下呂市、苗代桜のライトアップを見に行った。

苗代桜はその花を見て里人が苗代(田植え)の準備を始めたということからきているとのことで、近江源氏佐々木氏の末流三木四郎兵衛宗次が和佐へ移住したとき手植えしたものと伝えられる。もとは3本の姉妹ザクラだったのが昭和27年に一本が枯死し、二本が現在に残っている。一本のように見えて実は2本の桜なのである。

この桜、前面の田に張られた水に映る姿が素晴らしく、ライトアップされた様はコンサートでもできそうに美しい。その姿が数年前からTV報道などで知られ人気が高くなったので人出は多い。夜間は少し離れた駐車場(近い所も遠い駐車場も協力金300円が必要)からシャトルバスが出るのだが、明るいうちから行ったので暗くなるまでバザー店でうどんなどを食して時間を潰した。ライトアップに備えて三脚が所狭しと並び、生中継でもするのかメーテレ(名古屋テレビ)まで来ていた。
苗代桜(マウスポインターを置くとライトアップ画像) 三脚の場所取りとメーテレスタッフ



待つこと1時間半、やっとライトアップが始まった。しかし今日は雨で一番条件が悪く、大した写真が撮れなかったので先回の写真(上の写真にマウスポインターを置くとライトアップ写真になる)でお茶を濁す(ー_ー)


帰りにもういちど白川町水戸野のシダレザクラのライトアップを見ようと走る。どこだったかいなあ?
しかし、こちらは苗代桜よりライトアップが強力で、遠くからも良く見える。しかもシダレザクラなので凄くおどろおどろしい。このシダレザクラは元水戸野村庄屋渡辺家の彼岸ザクラで樹高15m、樹齢約300年だという。
水戸野のシダレザクラ
桜の根元に六地蔵 上から見下ろす



桜の根元には多くの屋根付き墓石があった。
「桜の樹の下には屍体が埋まっている!これは信じていいことなんだよ 」
梶井基次郎の詩にあるように、満開の桜が持つパワーは屍体すらエネルギーに変えるほど凄まじいと私も思う。
山側に登ると、幹の真ん中が腐って空洞になりかけた後がある。それでも立派に花を付ける様を根元にある六地蔵が見守っているようだ。

夜になって来てみると、真っ暗な所にライトアップされた桜だけがポッカリ浮かんでいる。下呂の苗代桜よりも強力なライトのようでかなり明るい。桜から田圃を隔てた対面の民家でテントを張ったにわか売店があり、食べ物やお酒などを揃えていた。そういう図式は苗代桜でもあるが、ここはBGMをかけていた。それも演歌とかではなく、殆どがジャズ。「ナイト・イン・チュニジア」とか「A列車で行こう」「枯葉」など。たまにサン・サーンスの「動物の謝肉祭」とかもあった。ライトアップ初日にはオカリナや太鼓演奏、大正琴などもあったとか・・・鄙にはまれな都会の雰囲気だった(^^;)
ライトアップ
しかし、暗闇にこんなのが浮かんでいると、越前クラゲか、原爆のキノコ雲か、はたまたアインシュタインの脳かってな具合で不気味なのも確かだった(^^;)



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