大多和峠 1295m (2003.6.15) 地図 

岐阜県神岡町跡津川−富山県大山町有峰(ありみね)
神岡町の跡津川と富山県の有峰湖とを結ぶ峠である。岐阜県側に同名の集落がある。

国道41号線沿いの土(ど)という集落から跡津川の谷へ入る。(標高300m、9:31)「大多和峠まで悪路注意」の電光表示板がまぶしい。
            土(ど)の分岐点 


悪路という表示の割にお地蔵さんもあるので昔から使われていた道には違いないようだ。しかし谷は険しく、道は1車線で狭い。跡津川の集落まで来ると道の前方に三井金属、跡津発電所の水圧鉄管が見えてくる(9:50)。

神岡といえば日本有数の亜鉛鉱山である。跡津川の奥にある山之村打保付近にも亜鉛鉱山があったが、鉱石を運び出すのに「三井鉱山専用軌道」があったのだという(「鉄道廃線跡を歩く\」より)。発電所付近の崖は索道で下ろし、前後が鉄道輸送であったらしい。
       跡津川の集落 


跡津川を過ぎて佐古の集落へ到着。山之村へ青木峠、富山県側へ長棟峠(ながととうげ)が向かっているが、どちらも廃道みたいなもので、分岐もよくわからなかった。

佐古の集落を過ぎると、道は林道となり、ダートが延々と続くようになる(10:24)。
            道はダートに変わる 


ダートをシコシコと登っていくと跡津川の谷、最後の集落、大多和に到着する(11:00)。
           大多和の集落 


ここ跡津川の谷は有峰湖から大多和峠を介して一直線に伸びている。断層谷だなと思っていたら、案の定跡津川断層なんだそうだ。道の脇には地震観測中という不気味な機器が設置してあった(--;)
         地震観測機器? 


そういう目で見てみると、谷も深いし、地層も脆そうである。しかしダート道の勾配は適度でゆっくり登れば、そんなにしんどいことはない。

何のかんのといいながらも12:16、峠に到着。標高差1000mのダートを3時間弱である。長かったような速かったようなよくわからない心境だ。



               大多和峠



峠の広場には小説「天の夕顔」文学碑も建てられている。山之村にも「天の夕顔」の文学碑などがあって一帯が小説の舞台となったことをうかがわせている。
小説「天の夕顔」文学碑


峠から先は舗装の有料林道である。しかし自転車はタダ。峠からダム湖である有峰湖岸あたりまで一度下り、山之村経由で戻るために飛越トンネルへと登り返す。

途中で見える有峰湖は北海道の阿寒湖あたりのように見える。飛越トンネルを越え、山之村、伊西峠、神岡をまわってスタート地点の土(ど)へ戻った(約75km)。
             有峰湖