野坂峠  370m (2005.6.4) 地図 

山口県阿東町徳佐上−島根県津和野町中座
島根県津和野町中座と山口県阿東町徳佐上間にある国道9号線の旧道峠である。そして萩・長州藩(毛利氏36万9千石幕末には100万石になったとも・・・)と津和野藩(亀井氏4万3千石)との国境でもあった。

峠の手前にある野坂御番所跡は旅人や通過物資を見張った毛利氏の番所であった。
野坂御番所跡



国道は津和野の南にある山の中腹をトンネルなどを介してバイパス状に通っているが、旧道は野坂御番所跡を過ぎると国道と分岐する。
国道(右)との分岐



分岐から少し行くとすぐに峠に着く。峠は野坂山の東側の鞍部にあり、山口県側がなだらかな高原状なのに対し、津和野側が急傾斜を下る片峠になっている。
峠(津和野側を見る) 峠(山口県側を見る)



旧道車道は1.5車線。野坂山の斜面をトラバースしていく。津和野の町が見下ろすことができ、なかなかいいロケーションである。この辺りは赤茶色の屋根が多いため、リゾート地のように見える。
峠中腹より津和野の町を見る
麓近く 麓から見た野坂山



津和野の町に入ると城下町らしく、なまこ壁や造り酒屋など時代劇に出てきそうな建築物がある。森鴎外の生家・資料館などもあって、観光地としてはナカナカのものである。津和野大橋脇には大鳥居のある弥栄神社(やさかじんじゃ)があり、7月の祇園祭の神事として奉納される国指定の重要無形民俗文化財「鷺舞」の舞台であるそうだ。大鳥居の反対側には「鷺舞」のモニュメントもある。
津和野の町 弥栄神社の大鳥居
重要無形民俗文化財「鷺舞」のブロンズ像 なまこ壁の通り



津和野カトリック教会の横に乙女峠なる展示室があった。乙女峠とは明治維新後、キリシタン禁止令により改宗を求められた長崎の教徒たちが、幽閉収容された場所で、教会の横にあるのはその歴史を記録した展示室だった。

幽閉された場所が乙女峠の中腹だったらしいので峠の名前にだまされて行ってみた。町中の資料館から津和野駅をまわり、裏山へ登った。150mほど行った山の中腹にマリア聖堂があった。その辺りに殉教した信者の墓が点在しているそうだ。しかし思ったとおり乙女峠への道は見あたらなかった(ー_ー)
津和野カトリック教会と乙女峠展示室 駅裏の乙女峠入り口
マリア聖堂前 マリア聖堂