乗越峠(のっこしとうげ) 1180m  (2004.7.25)  地図  

岐阜県下呂市小坂町落合−下呂市小坂町濁河
下呂市小坂町の落合と濁河の間にある峠で、小坂から濁河温泉やスキー場へ行く旧道である。峠道は小黒川・濁河川・大洞川の3川が合流する落合集落から、始まって鈴蘭方面からの道(新道)に合流している。峠といっても登りの最中で、急な登りが終わる地点とでもいうような場所にあるのだ。

3年ほど前にいちど落合からトライしたが、あまりに道が荒れていたので、途中で撤退したことがある。今回はそのリベンジ戦である。下から登るのは辛すぎるので、鈴蘭(峠)方面から舗装道を登って、荒れた旧道を下りてこようという作戦である。
落合付近(8:45)


鈴蘭峠への登りは2車線の舗装道だ。南に開けた谷を遡行するので暑い暑い。ところが谷の中には水場がない。そんな中で9%10%勾配がポンポン現れるから参った。途中、銀右衛門の滝も現れたが、水場はなかった。こう暑くちゃ頭から水をかぶらなきゃやってられないよ。てなわけで、もう少し登ったところで谷底の河岸に下りられるポイントがあったので、一息ついた。
10%勾配(9:35) 銀右衛門の滝(標高1040m 9:39



そこからまた10分以上登って、ようやく鈴蘭高原(峠)と濁河への分岐点に到達した。ここから鈴蘭はすぐ。だって0.8kmだもの。その標識に背を向け、濁河方面へ行く。ここで標高は1170mくらいだが、このさき道は最高1450mまで登る。
分岐手前(9:59 分岐点を右に(10:00)



途中に駐車場のようなところからゲートを通って降りていくダートがあったが、そこは違った。
ここは違うゲート(10:42)



合流点までで一番標高が高い送電線の下(1450m)を通過すると、ようやく旧道との合流点(分岐点、1370m)に到着する。赤錆びたゲートが耐えてきた風雪を偲ばせる。
旧峠道との合流点(11:15) 旧道ゲート(11:16)



はじめのうちはダートといってもきれいな道であった。ガスっていなければ御岳や濁河川の谷底が見えたことであろう。
始めの頃(11:25) 御岳もガスの中(11:29)



しかし、小さな谷を渡る辺りから道の真ん中に草は生え出すわ、崖崩れの落石で路面は酷くなるわ。先が思いやられる状況になってきた。
だんだん道が悪くなる(11:37)



目指す峠は地図で検討すると、送電線の真下にある。下り基調の中、これはわかりやすいポイントである。送電線は???おお、あそこか。遠望できる。それらしいところで止まると雨が降ってきたので雨宿りがてら昼食をとった。雨が小降りになって上空を確認すると送電線がない。ここは峠ではなかったのだ(ー_ー)
送電線を遠望(11:45) 峠かな?(11:52)



仕方なく、そのまま道を下っていく。やっと送電線が真上を通っている地点に到着。そこは何の変哲もない国有林の看板がかかっただけのちょっとした広場だった。送電線がなければ絶対わからないポイントだった(標高1180m
乗越峠(12:12)



峠を過ぎると、今まで緩かった傾斜が急にきつくなり、路面状況もさらに酷くなった。広範囲の地図を眺めてみると送電線が通っている所が尾根になっていて、その尾根を濁河川が蛇行して迂回している。乗越峠はその尾根を文字通り乗り越すなのだ。
峠を過ぎると道が急に酷くなった(12:15) 倒木も出てきた(12:20)



道は落石の巣になっており、最初のヘアピンカーブ(標高1120?)など谷底のようになっている。こういう草付き道も落石さえなければ乗っていけるのだが、草で石が隠されていると危なくて乗れない。
最初のヘアピンポイント(12:23) 倒木の巣(12:26)



しかぁし。倒木の巣を越えたところにそれはあった。こ・これは・・・
何と道が崩落していたのだ。撤退の2文字が一瞬頭をかすめる。しかし、この位置、旧道に入ってからかなり下ってきている。おそらく行程の半分以上は来てるはず。登り返すと相当なアルバイトになりそうだ(ー_ー)。標高は・・・天気が悪いので高度計はあてにならない。
で、突破の方法を検討してみた。崩落した幅は20mくらい。足をおけるスペースは1足分くらいは残っている。自転車を右手にぶら下げて行けば何とかなるのではないか。ここはトライすべきだ・・・
乗越峠の崩落ポイント
崩落ポイント(12:30)


ということで、右手に自転車を下げ、渡り出した。真ん中あたりに岩が突き出た箇所があった。ただでも怖いのにここはさらに崖下側へ体を向けねばならない。こわごわ、左手で突き出た岩を掴み、尺取り虫のように進んでデンジャラスポイントを乗り切った。

まだ落石の巣は続いたが、何とか乗っていけた。次のヘアピンカーブポイントは久しぶりの舗装であった。ふと高度計を確認すると1006m。地図を確認すると、案外上の方であった(~_~)
乗り切った(12:32) ひさしぶりの舗装(12:42)



そこからは落石はあるもののそれまでのような酷さはなく、心地よい緊張感を楽しみながら下っていった。標高710mのヘアピンカーブを曲がったところに下島温泉「ひめしゃがの湯」等、里の風景が見えるポイントがあった。パッと開けた風景はこれまでの難行苦行を吹き飛ばしてくれた。
里が見えるポイント(12:57)



続いて鎖で通行止めにしてあるポイントに達した。ここは前回も通過してるので履修済み。そして里の分岐点。ここを下に行くと温泉に行ける。さらに下ると、スタート地点、小黒川橋に出てきて、今回の峠探索は成功裡に終わったのである\(^_^)/
鎖ポイント(13:02) 分岐点(13:06) スタート地点の小黒川橋(13:08)