二弁当峠(のべっとう) 215m (2012.5.23) 地図

熊本県上天草市松島町内野河内−上天草市姫戸町(ひめどまち)姫浦(ひめうら)

熊本県上天草市松島町内野河内と上天草市姫戸町姫浦の間にある県道277号・姫戸港教良木線(ひめどこうきょうらぎせん)の峠である。

この峠の読みだが「のべっと」と表記するサイトがある(ここもそう)。中国地方以西では峠と書いて「たお」とか「とう」と呼ぶ地名が多いことや、日本の地名は元からある発音地名に音が似ていた漢字を当てたものに過ぎないから「のべっと」もしくは「のべっとう」と読むのが正解と思われる。

「にべんとうとうげ」とするサイトでは『弁当を2個持っていかないと越えられない』などと書いてある。しかし、いくら険しいといっても標高150m、距離にして5km程度の峠道に2弁当の必要はないだろう。そんなところからも漢字の字面から意味を曲解する危険性は大きいのである。
県道258号線に入る



鳥越から下りてきた内野河内から県道277号線に入る。2車線の淡々とした道であるが、それがダンダン急になる。そしてカーブではところどころセンターラインがなくなったりする。

峠道は2車線道
カーブではセンターラインがなくなる



そうして左右に振りながらヘアピンカーブにさしかかる。ヘアピンカーブを上がって、もうひとつカーブを曲がると峠のトンネル分岐まで真っ直ぐである。

左右に振りながらヘアピンカーブにさしかかる


峠は新旧のトンネルになっている。新トンネル手前に旧道との分岐がある。旧道へ入ってすぐ、高さ2.8mの標識がある。旧道トンネルの高さ制限は2.8mということである。トンネル手前には「九州自然歩道・観海アルプスルート・二弁当峠」の看板があった。また牟田峠への標柱や九州自然歩道・観海アルプスルートの地図看板など心躍る場所だった。

峠の新トンネル手前で旧トンネルへの旧道と分岐する 旧トンネル手前の標識
「九州自然歩道・観海アルプスルート・二弁当峠」の看板 牟田峠への標柱
九州自然歩道・観海アルプスルートの地図看板



さて、峠の旧トンネルは鞍部より20mくらい下に掘ってあった。出入り口が煉瓦造りになっていて、扁額はかすかに「姫戸隧道、昭和九年三月竣工」と読みとれる。旧道トンネルですら二弁当ではないわけだ(--;) トンネルの中はコンクリート吹きつけがなされており、とても心霊スポットという感じではない。反対側出口からは念珠岳が見えるし、旧道もある。

峠から下る ヘアピンカーブの連続
峠の旧トンネル 出入り口が煉瓦造り、中はコンクリート吹きつけ
二弁当峠(のべっとう)の旧道隧道



新道のトンネルまで戻って、こちらもカメラに収める。トンネル手前にバス停「二弁当峠」がある。トンネルの名前は「二弁当トンネル」上と下で名前が違うのはご愛敬である。しかし上のトンネルが姫戸隧道だと、二弁当峠は新道のトンネルを指すことになるのかもしれない。

バス停「二弁当峠」と「二弁当トンネル」



麓では鹿児島本線から名前を変えた肥薩オレンジ鉄道の踏切を渡る。そして国道3号線に合流して峠道が終わった。

旧道トンネルから下りてきた道が合流する



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