仁柿峠(にかきとうげ)(櫃坂:ひつさか 540m (2002.3.23) コレクションNo.928 地図

三重県美杉村下多気(しもたげ)−飯南町仁柿
伊勢本街道の峠である。古くは勢和村丹生(伊勢道の近く)の水銀を都に運ぶ道として利用された。そして上仁柿から峠地区を結ぶ峠道(旧道)は櫃坂と呼ばれた。古来貴重なものの運搬具である「櫃」に、水銀を入れて運んだことから、 この名称になったのだそうだ。
下多気の常夜燈からアクセスする。八手俣川(はてまたがわ)を渡った辺りも反対側に劣らず、旧街道情緒が感じられる街並みである。六部供養碑や坂向場(さかむかえば)なんて史跡もある。
道は国道脇を離合しながら登っていく。国道が1車線になる辺りからは同じ道を使っているらしく、そのまま峠まで緩い登りが続いた。
峠の手前に史跡「峠集落」の看板があって、伊勢本街道の宿場であったこと、昭和50年に廃村になったことなどが書かれていた。しかし家々の中には新しそうなのもあって本当に廃村なのか信じがたい気持ちであった。
         「峠集落」の看板
峠には真新しい「峠橋」がかかり、橋の下には平坦で一直線の路面が造成されていた。一体何をする気だろう?この先には櫃坂と呼ばれた旧道がある。歴史を刻んだ文化財を壊すつもりなのだろうか?

折悪しく雪が舞ってきた。時間も遅いし、ここから先は諦めて道の駅「美杉」にデポした車まで戻った。

  走行距離 59.3q  獲得標高 1250m
          仁柿峠と峠橋