鍋坂 102m (2007.12.24) 地図

岐阜県岐阜市日野北−岐阜市岩田西
岐阜県岐阜市日野北と岩田西の間で兎山と舟伏山の鞍部にある東山道の峠(と言われている)である。

古代律令制の官道・東山道の雄総までの経路は古代の道 東山道(濃尾平野編) で探索済みである。雄総から東のルートは古津から岩田に渡河したという説と雄総付近で長良川を渡河してから、左岸を進み、鍋坂で兎走山(うそ)を越え、岩田に出たという説とがある。

いずれの説も雄総から各務原地域へ行くには北上しすぎであるが、雄総渡河説を採る関市史がいうように岩田で飛騨路を分岐するためにここまで北上したというのが自然な考え方であろう(各務原市史より)。
鍋坂付近の地図とルート軌跡



そんなわけで、98年頃に鍋坂には一度アタックしてみた。しかし両側とも山道への入り口が分からず敗退した。今回ハンディGPSを手に入れたことと、ネットで兎走山登山ルートの記事を見つけたためにリベンジする気になった。

長良川左岸道路の県道287号線からアクセスする。鍋坂は遠目に見ても越えてみたいと思うきれいな鞍部である。
左岸道路から鍋坂を見る(左が兎走山)



まずは兎走山トンネル手前から千鳥橋の下を潜る。この道はトンネルができる前の旧道なのだが、崖っぷちになっていて長良川がその岩場にぶつかっていつも渦を巻く所だ。毎年何人か土左衛門が出るので、この旧道沿いに長良川水死者供養仏が祀ってある。

千鳥橋の下を潜る 渦を巻く岩場
長良川水死者供養仏 千鳥橋と岩場



兎走山トンネルの反対側出口の下を潜り、岩田地内の春日神社を目指す。反対側から見ても鍋坂の鞍部はクッキリと凹んで格好いい。

鍋坂の鞍部はクッキリと凹んでいる 春日神社(11:05)



春日神社のトイレ付近から林の中に入る。神殿の西側である。横移動気味に入っていくと、登山道に合流する。合流してすぐに中電巡視路の案内板がある。

トイレから横移動気味に入っていくと、登山道に合流する(11:13) 合流してすぐに中電巡視路の案内板がある(11:15)



そのまま山道を登る。ところどころ道をロストしそうになるが、そのつど少し横へずれると、またルートが見つかる。頭上には木々が生い茂っているが、衛星電波は拾えているらしく、ハンディGPSは順調にサミットへ近づいていると表示してくる。これまでは高度計などで、あと何mって気持ちを鼓舞していたのだが、GPSは地図でビジュアルにわかるところが嬉しい。

こんな道ばかりなら良いが(11:16) ところどころ道をロストしそうになる(11:25)
GPSならビジュアルにわかる



とにかく、この坂は概ねストレートラインである。こんなに真っ直ぐ登っていく峠道も珍しい。やはり東山道というのは本当らしい。そうこうするうち峠の頂上に到達した。峠には単なる山道の頂上ってだけで何もなかった。しかし日野北側には赤テープを巻いた木があった。シメシメ、これを頼りに下りていけばいいはずだ(^^;)

峠の頂上に到達した(11:30) 赤テープを巻いた木があった



案の定、赤テープを巻いた木は定期的に見つかった。道も倒木などがあって自転車に乗ることはほとんどできないけれど、安定した道が続いている。

赤テープを巻いた木は定期的に見つかった(11:35) 安定した道が続く(11:39)



麓近くになって竹藪に突入。しかもそれまでストレートに登って下りてきていたのが斜面をトラバースしながら下るようになった。暗い竹藪の中でも道は安定しており、山道も終わりが近づいた。

竹藪に突入(11:45) 竹藪の中でも道は安定していた(11:49)



麓の道と合流する所まで赤テープはずっとサポートしてくれた。合流点は想定していたより少し西であった。竹藪になった所から斜面をトラバースした分、西に行ったのだろう。しかし冒頭の地図でGPSの軌跡ルートを見ると見事に真っ直ぐである。斜面をトラバースしても真っ直ぐである。やはり東山道は真っ直ぐ作られているというのがここでも実証できたわけである。

合流点より車道を東へ戻り、千鳥橋のたもとで県道287号線に出た。

合流点は想定より少し下であった(11:50) 合流点まで赤テープはサポートしてくれた(11:51)
千鳥橋のたもとで県道287号線に出た(11:56)



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