万座・毛無・地蔵・岩井堂峠ツーリング2 (2001.7.28/29) 2001.8.3更新


地蔵峠のお地蔵さん

コース

7月28日
蕨温泉−山田入林道−万座峠−上信スカイライン−毛無峠−湯沢林道−牧−蕨温泉 〜 戸隠高原、越水ヶ原(車内泊)
7月29日
戸隠高原、越水ヶ原−越水ヶ原峠 〜 戸隠村土合−地蔵峠−岩井堂峠−戸隠村土合


7月29日

戸隠高原の朝はカッコウの声で始まる。「うん?まだ暗いんじゃない。あと30分寝よっと」前夜ビールを飲んだ勢いもあって9時前に寝てしまったので、夜中に何度も目を覚ました。

でも5時半頃には起き出して食事。そして周りを偵察。ギザギザの戸隠山が背後に聳えている。この感動を知らせようと隣の車を見ると「おお、oookaさん、まだ寝てる」涼しいのを通り越して寒いの一歩手前だから寝られるんだろうなあ。

1泊した戸隠奥社近くの駐車場を斜めに貫いて奥社への参道が走っている。「信州百峠」によると越水ヶ原峠(1230m)を通る道であるらしい。早速oookaさんに起きていただいてチャレンジするか相談。行きがけの駄賃にゲットすることに。
一度中社近くの駐車場に移動し、中部北陸自然歩道の標識に従って参道に入る。越後道への分岐点を過ぎると舗装路に出る。どこが越水ヶ原峠なのかしかとはわからない。

奥社方向へ走ると比丘尼の石とか孝子稚児の塔などのモニュメントがある。道はダブルトラックで時々階段なども出てくる地道であった。
さて今日のメインは裾花川と犀川の間にある山地を越える峠群である。まずは戸隠高原から移動。カンナビの私が大望峠方面や無用の山越え道へとミスコースしたことは内緒にしておこう(^^ゞ


高原から下りきって裾花川対岸の土合付近に車をデポ。600m地点である。ここから地蔵峠(1180m)を目指す。県道38号線である。8:40登りだしてすぐ、道の脇に石碑群があった。猿田彦や庚申そして二十三と刻印された意味不明の石碑などが林立している。

ときどき農作業とおぼしき軽トラに出会う。そのうちの一台、3人座りの真ん中に口をサラシで覆い青ざめた風体の老婆がいた。まるで『恐山のいたこ』のように黄泉の国との橋渡しをするかのような容貌には2人とも思わずギョッとした。
心の動揺がさめやらぬうちに茶色い犬が1匹、ワンともいわず追いかけてきた。吐息が間近に聞こえる「ハッハッハッハッ」そして猛然とダッシュして我々を追い抜いていった。何なんだあ?ランス・アームストロングでもあるまいし、凄いアタックじゃん(--;)・・・・でもすぐ引き返して後方へ。やはり自分のテリトリーへ戻っていったのか(^^;)

ところがまた「ハッハッハッハッ」に続いて猛アタック。ひょっとしてochiさんのところの「黒い犬」のように峠を越えるまでつきあってくれるのかいな。それなら美味しい話だな・・・・・そんな勝手な思惑は小さな分岐点で霧消した。茶色い犬は二度と現れることはなかった。

何本も枝道が現れた。とりあえず750m峰の中腹に見える平出の集落を目指す。集落内はつづら折れの劇坂が通り、山に囲まれた地形は落人の隠れ里のような雰囲気だ。周りには信州には珍しい?たばこ畑が広がっている。

平出を過ぎると車は皆無となった。今日は舗装路でoookaさんもダンシングを多用し、元気いっぱいである。霞がかかっているのか飯縄山や戸隠方面ははっきり見えない。そうこうするうち思ったよりも早く峠に到着した(9:50)。
峠は陣馬平山方面への林道が分岐しており、戸隠村と長野市の境界表示しかなかった。そして戸隠山方面の展望もイマイチで失望しかけたとき、峠の切り通し斜面に石碑を見つけた。オール漢文で明治時代に道を改修したというような内容なのか裏には当時の村長名を列記してあった。

と、その石碑の向こう側、草葉の陰からひょこっと顔をのぞかせる石仏3体・・・・・これだよ、これ。地蔵峠というからにはそのご本尊がなければ意味ないじゃん。
地蔵峠の切り通しの上に石碑がある 地蔵峠のお地蔵さん
     切り通しの上に石碑が      石碑の裏に可愛いお地蔵さんが・・・

  

なかなか濃ゆい空間であった地蔵峠を辞して長野市側へ下っていく。木の間越しにだんだん展望が広がってくるのがわかる。視界が開けた所で勿体ないけど止まって撮影。うーん、この展望は凄い。正面が聖高原方面の茶臼山で左手には千曲川筋が見える。

このまま犀川畔(380m)まで気持ちよく下りてしまうと次の岩井堂峠(1135m)への登り返しがメッチャしんどそう。だから中腹の集落から高度を落とさないように峠の登り口(実は中腹で820m)までトラバースしようと思った。
しかし高度を落とさないようにというのは先々週の麦草峠でも苦労したが、コース取りがとても難しい。交差点に出るたびに5万図と首っ引きでコース検討せねばならない。地図に出てない地名もポンポン出てくるし・・・・知足院−橋詰−遠見−岩草−平沢−梅木と集落をつないで走ったが結構アップダウンもあった。


峠の入り口近く、梅木の道路脇に人寄り場所があった。「参議院議員選挙投票所」の看板。ここでoookaさんインスピレーション「あっ!あの死にかけのばあさんも投票だったんだ。」「・・・・・?」「ふだん寝たきりの人も投票だからムリヤリ連れてかれたんだな」「なるほど・・・・」思わぬ回答であった。

峠道への分岐点が現れた。さすがに11:40になっていたので昼食をとることに。しかしここまで2時間近くかかるとは予想外だった。トラバースしたわりには100m近いアップダウンもあったし、高度を落とさないコース取りって本当に難しい。
昼食後、いよいよ岩井堂峠へ登り始める。こちらは林道であるのでコンスタントにジワーッと登っていく。地蔵峠とは大違いである。カーブも急なのは少なく、非常に疲れる。しかも南斜面の真っ昼間とくればメチャ暑い。意識はもうろうとするわ、汗は乾ききらずに腹部に溜まっていくわ、でダンダン気持ちが悪くなってきた。

途中の水場や銘水汲み場などで補給しても朦朧状態は改善されない。途中に岩井堂観音があったらしいが、気づくこともなく淡々と蛇行を繰り返して登った。そんな状態なので約300m強登るのに1時間かかってしまった。しかも峠には何もない。

写真もそこそこにoookaさん、ちょっとの休憩でスタートしようとする。「あまり休むと体が冷えるから」ううむ、アスリートさんがよく口にする言葉だ。oookaさん、おそるべし。
しかしここからは下りなのでデブの私が先行する。全舗装だけれど路面にはところどころ小石や木々が散乱していて油断はできない。ダウンヒルのスピードで意識は冴え、汗も乾いた。

裾花川河畔まで下りてみると突き当たった道は国道ではない。対岸に渡る橋が2本。国道は対岸でトンネル区間になっているらしい。下流の橋を渡り、トンネル出口で国道と合流。車のデポ地まで走る。当然下りと思っていたのに国道も結構なアップダウンがある。たまらず自販機休憩したらデポ地はすぐ先であった。

こののち鬼無里から大洞峠(おおどう)ピストンをする予定であった。しかし暑さにめげていたのでoookaさんに悪魔の囁きを・・・・・すんなり通ってしまった(^^;) 。でも峠の温泉には行きたいそうなので入ることに・・・「星と緑のロマン鉱泉」北アルプスの眺望と天文台、プラネタリウムを売りにした村営立ち寄り湯兼宿泊施設である。
嬉しいことにここも入浴料300円であった。それに宿泊施設なので石鹸・シャンプーもあったし、星グッズもあってリーズナブルなお土産が買えた。満足・満足。oookaさんともここでお別れ。次の機会を楽しみに信州を後にした。



万座・毛無・地蔵・岩井堂峠1ホームページ | TOURING REPORT