暮坂峠 1086m (2002.8.30)

群馬県中之条町−六合村(くにむら)
日本百名峠である。そして若山牧水が越えたことでも有名である。

せっかく来たからには全線走破したいので周回コースにしてみた。中之条の吾妻文化会館に車をデポ。四万温泉との分岐を左にとり、沢渡温泉を右に見てドンドン登っていく。
大岩の集落まで来ると旧大岩学校跡、牧水会館がある。地元の肝いりで明治12年に建築されたもので、牧水の歌にも詠まれているそうだ。
大岩を過ぎると山間に入り、傾斜はきつくなるがセンターラインもなくなるので気分が乗ってきた。けっこう道のりは長いが、「暮坂の岩から出る清水」など休む口実もあるので休みながらも何とか峠に辿り着いた。
さすがに百峠。峠名の標柱はあるし、道祖神、牧水像に誌碑などメニューが豪華でお腹が膨れる。
牧水の歌は「白鳥は哀しからずや海の青 空の青にも染まず漂う」の印象が強いので心情ビジュアル系かと思っていた。像を見る限り、マント・ステッキ姿でダンディである。牧水は大正11年10月20日に草津から暮坂峠、沢渡と歩き、紀行文にした。詩碑には「枯野の旅」と題した詩が刻んである。途中からがなかなかいい。

長かりしけふの山路
樂しかりしけふの山路
殘りたる紅葉は照りて
餌に餓うる鷹もぞ啼きし

上野(かみつけ)の草津の湯より
澤渡(さわたり)の湯に越ゆる路
名も寂し暮坂峠
旅心を満喫した峠から下る。六合村側に暮坂の地名はある。当然色々な施設があるのはいいが道がほとんど2車線になってしまったのはいただけない。おまけに長野原からの国道145号線は車がメチャ多くて危惧したとおり後半は酷かった。