十石峠・ぶどう峠 (97.5.19 NIFTY掲載) 98.9.3 更新 


草軽2nd(niftyserveのOFF会、この時は草軽軽便鉄道の廃線跡を辿るという探検バージョン)終了後、皆さんに教えていただいた十石峠・ぶどう峠へ行って参りました。正直言って下調べなしで行って失敗しました。


十石峠
海瀬の佐久中学の崖下にある体育館の駐車場に車をデポして走り始める。早朝(7時頃)とはいえ、曇っていて、うすら寒い。念のために雨具を持っていくことにする。余地峠との分岐点を過ぎ下川原から抜井川沿いの旧道を走る。バイパスの方はアップダウンを繰り返しているのが見える。道の風情といいやはり旧道の方が良い。

古谷の部落を抜けるとバイパスと合体して古谷(こや)ダムへ登りだす。ダム手前の橋のところで大上峠との分岐点がある。小休止。ここまで1時間弱。結構早く着いた。


ダム湖が終わると乙女キャンプ場が見えてくる。風情のあるヘアピンを曲がると石仏の出迎えに会った。また乙女の滝のあたりにも石仏がある。どちらも馬頭観音でさすがにここ十石街道は歴史を感じさせる。そこから本格的な登りが始まり、13番カーブなどという文字通りの急坂をこなして峠に到着した。


上州側の山並みは曇っていてはっきり見えない。峠の地蔵さんに手をあわせに行くとさっき馬頭観音さんのところで抜いていったバキュームカーのおじさんに声をかけられた(--;)。

しかしこのおっさん、話してみると昔東京で商売をやってたとのことでなかなかの苦労人である。今年のGWは悪天候だったせいか峠のトイレの回収量(○○○のことですよ)が例年の2/3であったとか、子供の教育は・・・とか面白すぎて時間を忘れそうになる。しかし何たる不覚!ここでフィルムが切れてしまう。てなわけで後の写真はない(T.T)
下りはじめてまもなく谷筋の旧街道(黒川林道)へとヘアピンを切る。谷底までは快適な滑降コース。谷は深くそのまま下るうち途中3kmほどダートがある。石ころは少ないかわりに岩むきだしのところが多く野性的である。

しかし寒いなあ〜。
舗装が復活する手前の黒沢峠分岐の橋のところで携帯燃料を使って珈琲タイム。いっときの暖をとる。

恐るべし、ぶどう峠
 白井からは、ぶどう峠へ登り返す。
道が狭いところに工事車輌がひしめいているためトランシーバー片手に警備員が交通規制をしている。しかし自転車でツーリングしながら
「自転車!ただいま何番地点通過中!」
と通るそばからやられるのは初めての経験で気持ちよかった。
 有名な御巣鷹山への分岐がある。日航123便だったか?こんな所へ落ちたんだね。当時は大変な騒ぎだったんだろうなあ。それにしてもまだ11時にもなっていない。これなら塩ノ沢峠から余地峠も行けたかもしれないなあなどとお気楽なことを考えていられたのもこのあたりまで。登れども登れどもいっこうに峠の高まりは見えてこない。そのうちにウインドブレーカーを着ても身体が冷えて、足に力が入らなくなる。休憩中も冷えないようにと飴をなめながら足踏みをするような状態になってきた。ううむ12時を過ぎても峠に着かない。やばいぞ。恐るべし、ぶどう峠。
 これは身体の中から暖めなくちゃ駄目かもと思い、やや遅めの昼食。再度珈琲も沸かして十分に暖をとる。やっと人心地がしてきた(ということは単なるハンガーノックか?)峠に立ったのはそれから30分後のことだった。峠の手前には日航123?便遭難の碑という小さな立て札が御巣鷹山を望むようにケルンに守られて立っている。今度こそ本当に合掌。峠の碑の裏には漢字で「武道峠1560m」と彫ってある。恥ずかしながらマップリーディングの失敗で私はこの峠の標高を500m読み違えていた。20万図しか用意してなかったのも油断だった。うーむ!恐るべし武道峠!
 あとはダウンヒルのみとFCYCLO のメンバーでも修復をしておられる栂峠との分岐を見ながらドンドン下る。
下新井の部落を過ぎたあたりからは向かい風がきつくてまたもや寒くなってきた。とうとうパールイズミの雨具の上着を着用してみる。これがなかなか具合が良い。適度な通気と保温でそのままデポ地までこのスタイルで走ることにする。
 小海まで下りてきてからはお洒落な駅の建物をかすめて千曲川右岸の旧道を下っていく。これがまた適度な傾斜で登りなし、信号なし、追い風という超極楽モード。小海線が横を走るロケーション、秩父事件本陣、秩父事件古戦場(秩父事件て何だっけ?)、麦草峠への八千穂駅など走っているのを忘れそうな気分である。
やがて中学の部活であろうかバスケの練習の行われていた体育館とデポした車を道の下方に発見し、今回のツーリングも幕となった。
教訓:ガイドブックに載っていても地図はいいものを揃えるべし。
   上信・武信国境は信州側から越えるべし。周回コースは厳しい。

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