郡上八幡と板取を巡る峠たち (雑誌サイクルスポーツ2001年8月号掲載) 2001.11.13更新


前書き

サイクルスポーツの「CSコースファイル都会を抜け出すマップ」に原稿依頼が来ました。名古屋周辺のコースでというお話でしたので恥ずかしながらお引き受けして書いてみました。もっともコースは1997年にニフティにカキコしたツーリングレポートの焼き直しなんですけど・・・

本文   

 岐阜県中央部、郡上踊りで有名な町、郡上八幡とトライアルの世界戦が行われる板取との間の3峠を巡るハードなコースを紹介しよう。積算標高差は1200m。全舗装で60q強の道のりである。

 東海北陸自動車道の美並ICから国道156号線を八幡町方面へ向かい、高畑温泉の看板がある相生の橋の手前に小さなトンネルが2つあるのでトンネル脇から旧道に入って車をデポ。鉄道なら相生駅からスタートする。

 先ほどの橋を渡り、長良川右岸の県道を走る。2車線の国道とは異なり、県道は広くなったり狭くなったりを繰り返す。八幡町市街を右手に見ながら大和ICを目指して進む。大和ICのある野口の集落で県道と分かれ、落部谷川沿いに左へ入る。

     黒田峠(くろんだとうげ)
 東海北陸自動車道もしばらくこの谷を同行。宮前からはいよいよ本格的な登りになる。ジグザグを繰り返しながらだんだん高度を上げていく。中腹まで来ると展望が開けて奥美濃の山塊や長良川の谷が見えるようになる。

 大和ICから標高差約550m、1時間ちょっとで内ヶ谷トンネルに到着する。トンネル横から黒田峠への旧道が口を開けている。峠へはあと50m登りくらいだし、向こうへも抜けられるので行ってみると面白い。 

           西峠
 トンネルか峠を越えたら内ヶ谷の谷底まで爽快なダウンヒルである。下ったら西峠へ200mの登り返しである。標高差が少ない割にアップダウンが多く思いのほか時間はかかる。

 西峠から板取へダウンヒル開始。下りきったあたりに杉島荘という鱒釣り場がある。そして人気の立ち寄り湯、「板取バーデハウス」を横目に見ながら板取川に沿って下る。


 加部の集落から橋を渡って最後の峠となるタラガ谷越えに挑む。峠は国道256号線なので3叉路で標識を確かめよう。またここに自販機があるので水分補給をすると良い。

       タラガ谷越え
 さてここは谷川沿いに急坂が続く。3分の2ほど進んだあたりで道は川から離れて山を巻いて登り出す。楽な勾配、急な勾配が断続的に続く。道を横切る川はほとんどが滝のようである。そしてときどき断ち切ったような岩盤が現れる。ほどなく峠。お地蔵さんが1体。「手向け」の言葉が一瞬頭をよぎる。
 あとは下りだけだ。やがて硫黄泉の高畑温泉が見えてくる。1度は行ってみたいと思わせる鄙びた風情である。遠くに東海北陸自動車道の高い高架が見えてくると初めに渡った相生の橋へと出て旅も終わりになる。

 なお、食事ポイントは板取バーデハウスと156号線にあるレストハウス大滝くらいなので弁当持参が望ましい。最後に温泉に入りたい人は美濃ICで下りて板取川の谷へ入り、板取バーデハウスに車をデポして周回すると良い。それから積雪期から3月いっぱいは通行止めとなるのでその時期は避けられたい。
データ関係
【日程】1997年4月29日
【行程】    【距離】 【高度】
 相生            200
 野口       11.3   260
 内ヶ谷トンネル  10.8   820 (黒田峠860)
 内ヶ谷      3.9   600
 西峠       7.0  800
 加部       20.2   290
 タラガ谷越   5.8   630
 相生       4.2    200
   合計   63.2

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