円空峠 390m (2004.5.22) 地図

岐阜県郡上市美並町苅安(かりやす)ー武儀町(むぎちょう)富之保雁曽礼(とみのほがんそれ)
郡上市美並町のフォレストパークから武儀町雁曽礼へ越える、苅安〜雁曽礼林道の峠である。美並側の戸谷川の谷から武儀側の武儀倉川の谷へ越えていく、この道筋は、舟山街道(岐阜県、歴史の道調査報告書)と云ったらしい。

旧美並村役場付近で郡上街道から別れ、戸谷川の谷を遡る。
郡上街道との分岐点を直進(8:52)


東海北陸自動車道のガード下を潜り、ため池?の畔にあるフォレストパークへ至る。桟橋やコテージがあって、フィッシングその他のレジャーができるようにしてある。奥には植物園もあって、ちょっとしたテーマパークである。道は東海北陸自動車道を仰ぎ見ながら進む。植物園の端に苅安〜雁曽礼林道の入り口があった。
奥がフォレストパーク(8:58) 苅安〜雁曽礼林道の入り口(9:05)


林道は舗装してある1.5車線路。道には水が流れ、蜘蛛の巣がひっきりなしにまとわりついてくる。この林道、軽い崖崩れがアチコチに見られる。平成3年にできたようで10年以上経っているが、整備が良いのか悪いのかわからない。谷を奥まで詰めた後は山肌をうねうねとトラバースしていく。普通の峠道だと尾根を巻いたり、山腹をスイッチバックし、九十九折れなどで高度を稼ぐのだが、ここは尾根近くまで登っても山腹の横断が続き、どこが峠なのかさっぱりわからない。

道には水が流れ こんな大岩も落ちていた(~_~)



そんな尾根筋付近の移動が続き、やっと峠に到達した。尾根筋林道の最高点は標高410m、峠はそこから少し下がって390m、峠から武儀町側へは400mラインへ登ってから下り出す。登山で云う尾根道縦走路では峠が一番低いから驚くには当たらないが、麓から登る峠道では少ないだろう。
円空峠(9:45)



峠には苅安〜雁曽礼林道の開通を記念し、「円空峠」と名付けた旨の立て札と、円空堂が建ててあった。しかし安置してある地蔵菩薩といったら・・・御身の造りは円空っぽい造形にしてあるが、そこに乗ってるお顔はまあるくてノミ跡もなく、しかも傾いでいる。円空の名を冠するのも恥ずかしいような代物である。峠には峠名の石碑があった。題字は現岐阜県知事、梶原拓の筆である。前知事、上松陽介の手になるものはアチコチにあるだけに時代の変遷が伺われる。
円空峠の石碑と円空堂 これが円空仏?


峠の両側の眺望は良い。山また山に送電線が見えるだけで、面白みは少ない。
武儀側の眺望


山林の中を下る。谷筋まで降り、川が太くなった頃、馬越峠(まごえ)を越えてきた道と合流する。横を流れるのは武儀倉川である。
武儀側の眺望


武儀町は平成の御代になったとき、町内に日本で唯一「平成(へなり)」という地名があることで話題になった。

麓まで降りてくると、あちこちに「日本平成村」の街灯が建ててある。もちろん「にほんへいせいむら」と呼ぶんだろう。今や「へなり」なんて誰も呼ばないだろうな。語感も悪いしね(^^;) でも元々はそれなりの意味があったのだろう。私にはわからないけど・・・
日本平成村の街灯